「大河ドラマ『真田丸』より面白い!」と紹介して話題になった、ブロードキャスト!!房野さんの『超現代語訳・戦国時代』ですが、初回は「応仁の乱」だけご紹介して、カンジンの真田の登場まで至りませんでした。
真田一族が気になって仕方ない大勢の皆さんのために、さっそく房野さんの描く「真田三代」をご紹介しましょう!
真田一族のことなんて知らないし、ぜんぜん気にならないという方も、ばっちり面白くて、ドラマも楽しめますのでオススメです。
* * *
真田三代 パート1
【華麗なる一族が放つ若草物語】
「真田日本一の兵(つわもの)
いにしへよりの物語にもこれなき由(よし)」
(真田は日本一の武将だ。古くから伝わる物語にもこれだけのやつはいない)
今回からは、今大河ドラマでも取り上げられている、真田一族(俗に「真田三代」と言われたりしますね)についてです。
戦国時代の中でも、こんなに知略(頭をふんだんに使って計画することって感じ)に優れて、こんなに勇気ある一族はいないんじゃないかってくらい、優秀な人達です。
その才能は、織田、豊臣、徳川、武田、上杉という、戦国時代のスーパースターたちにも認められ、そして恐れられました。
冒頭に書いた「真田日本一の兵…」というのは、真田信繁(幸村って名前で知ってる人もいるかもですね)のことを語った言葉です。
信繁が最期の戦いで見せた勇姿を、当時の人がこう言ったのだそうです。
その見事すぎる戦いっぷりに、味方だけでなく、敵からも絶賛された武将でした。
「真田日本一の兵」は、彼へ向けられた賞賛の声の中の一つです。
このたった一回の戦いがあまりにも鮮烈で、現代にまで語り継がれる真田信繁という男。興味をそそられませんか?
真田の血がどう紡がれていったのか、そのルーツを紐解いてみましょう(カッコつけてルーツ紐解くとか言いましたが、そんなに詳しく書かないんで、ルーツ紐解けないと思います)。
まず、真田さんとこの、ざっくりしたプロフィールはこんなかんじ。
「真田三代」
というのは、一般的には、真田幸綱(おじいちゃん)――真田昌幸(お父さん)――真田信繁(息子)、のことを言います。
ちなみに真田家が使用した家紋。旗印(旗に描く目印だよ)は、「六文銭(ろくもんせん)」でした。
○○○
○○○
当時の小銭を並べた感じ。シンプルに書くと上の様な絵になるよ。
死んだ後に渡る、三途の川って聞いたことあります? 六文銭はそこを渡るのに必要なお金の数です。これを掲げるってことは、「戦う時、死ぬ事さえ恐れない」っていう意気込みがあるってこと。とか言われてます。カッコいいー。
さて、真田家は
「国衆(くにしゅう)」
という立場でした。国人とか、国人領主とか、豪族とか、いろんな呼び方があります。
ちなみに大名(だいみょう)っていうのは、自分の力だけで、その地域の政治や経営をしてる人のことです。
ホントに独立してるから、その地域のことを「国」って呼んでる感じかな。
甲斐国(かいのくに)とか、尾張国(おわりのくに)とかいいますよね。
国衆っていうのは、「さすがにちょっと独立はキツイかなー…」っていうくらいのレベルの村の代表者で、大名に「守ってよ!私を守ってよ!」って感じの人たち。
大名の下についているけど、その村の経営は独自でやらせてもらいますみたいな。
大名が「戦うぞー! 兵を出せー!」ってなったら、「わっかりましたー!」って国衆は従います。
規模で言うと、
大名→県知事
国衆→市長、町長、村長
形で言うと、
大名→学校一のお金持ちお嬢様
国衆→それに従うプチ金持ちお嬢様
てなぐあい。全部が当てはまる訳じゃないけどね。
戦国時代は、力あるものがどんどん上に昇りつめる世の中でした(まさにこの世は世紀末)。国衆でも、だんだん力持っちゃって大名になるパターンもいっぱいありました(徳川家康さんや毛利元就さんがそうです)。
真田という姓を名乗り出したのは、信繁のおじいちゃん、真田幸綱(幸隆って名前もあるよ)の頃でした。
海野(うんの)という武将が、真田郷(さなだごう。長野県の村)をゲットして、
「オレ! 今日から真田! この村の名前とって真田! 真田幸綱!」
って宣言したところから、真田さんのスタートらしいです(この辺の名前の流れ、ひじょーにややこしいんで、はしょりまーす)。
幸綱さんが真田と名乗ったこの頃、海野棟綱(うんのむねつな)って人の下についていました。
海野さんは、幸綱さんのお父さんとも、おじいちゃんとも言われてる人です(資料少なすぎてよくわからないんだって)。
そこは切り離して考えて、とにかく上司と部下の関係だったといっていいでしょう。
じゃ、国衆の幸綱さんが従うから、海野さんは大名?
いいえ、そうではないんです。
海野さんも国衆の一人でした。
(普通の女子高生が、自分よりちょっとだけお金を持ってる女子高生に従ってて、出来れば、どこかのお金持ちの令嬢に出会いたい状態。なんだこれ。変なの!)
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