エグゼクティブたちが手放さなかった伝説の敏腕秘書、フラナガン裕美子さん。
フラナガンさんの経験をもとに綴られた、上司からの信頼を得られて効率も上がる仕事のコツをまとめた『伝説の秘書が教える「NO」と言わない仕事術』が発売となりました。刊行を記念して、本の読みどころを一部ご紹介します。
第5回は、評価について。真剣に取り組んだ仕事が、上司からまったく評価されなかったとき、この世の終わりと思うほど凹んだりするものです。しかし、その評価を冷静に分析することで、レベルアップのチャンスが訪れます。
自分が認められていない、評価されていないと感じたとき、凹みますね。それに批判やお叱りが加わったらトドメを刺された気分になります。とてもよく分かります。
でも実は、どう受け止めるかによって、その後の自分が大きく変わってくるのです。
同僚のSさんには強みがありました。それは、どんなに批判されても、落ち込まないということ。その秘密は、とてもシンプルなことでした。彼は、「どんな批判を受けても、自分の人格を否定されているわけではない」という事実を知っていたのです。
悪い評価も辛い批判も、仕事や行動に向けられているのであって、決してあなたの人格を否定しているものではありません。
同じことが起こっても、いつまでも恨み辛みを言ったり、この世の終わりと落ち込む人は、この点を混同しているからなのです。悪い評価や批判には、「自分がダメなわけではない」と自分に思い出させて下さい。すると、気持ちがずっと楽になります。
今直面している評価は、「自分がしている仕事」に対してのこと。それが分かったら、冷静にその内容を分析してみましょう。
「確かに上司が言っていることは一理あるかも……」と思えるのであれば、躊躇せずにそこを修正します。また一つ、レベルアップのチャンスです。そうすれば、不愉快なはずの評価が、自分にとって有益なものになるのです。
けれど、どう冷静に考えても不公平な評価だと思ったら、上司に説明を求めましょう。ムキになる必要はありません、素直に教えを乞うのです。ちゃんとした上司であれば、説明をしてくれるはずです。
でも万が一、「そんなことも分からないのか」と言われたら、それはロクでもない上司です。だったら余計のこと、そんな人に自分の気分を害されるなんて時間の無駄ですね。神妙な顔をして、「申し訳ございません。ありがとうございます」でかわしましょう。
評価や批判があったら、自分が成長できるチャンス。その事実だけに集中すれば、むやみに落ち込まなくなります。
□評価は自分の「仕事」に対してのことだということを忘れずに
エグゼクティブたちが手放さなかった、伝説の秘書が教える仕事の基本
上司からの理不尽な命令にもすぐに対応できる!