1. Home
  2. 社会・教養
  3. 超現代語訳 戦国時代 笑って泣いてドラマチックに学ぶ
  4. 黒田官兵衛と竹中半兵衛。この時代が誇るト...

超現代語訳 戦国時代 笑って泣いてドラマチックに学ぶ

2016.06.05 公開 ポスト

「黒田官兵衛」第4回

黒田官兵衛と竹中半兵衛。この時代が誇るトップ・オブ頭脳!この二人の間には、涙涙の友情物語があったのでした。房野史典

囚われの身になってしまった黒田官兵衛。でも、それを知らない織田信長は「官兵衛のやつ裏切った!」ってことになり、官兵衛の息子を見せしめの死罪に――。
電話もパソコンもない時代、正確な事情を知る手段がないと、こんな哀しいことが起こりうるのですね。
今回は、ハンカチじゃ足りないと思うので、バスタオルを用意してお読みください。

*   *   *

【ツバサとミサキ、ヨウイチとカズマ、ルカワとハナミチ、ゴンとキルア】

では、黒田官兵衛パート4となります。
いきなりおさらい。

播磨に秀吉来る。

官兵衛、半兵衛と協力して城落としたりする。

裏切り者続出。

荒木村重を説得にいく。

牢獄に閉じ込められる。

荒木村重を説得に行った官兵衛でしたが、有岡城の土牢(土をくりぬいたり、掘ったりして出来た牢屋だよ)に閉じ込められてしまいました。
官兵衛からの連絡が何もない以上、これは裏切りだと決定する、織田信長。そうと決まれば、人質としてあずかっている官兵衛の息子・松寿丸を殺せ、と指令を出します。
秀吉は松寿丸の命乞いをしたのですが、その願いも受け入れてもらえないため、事情を知った竹中半兵衛が、信長の元に走ります。

竹中半兵衛「松寿丸を殺せとのご命令が出たとうかがいました」
織田信長「そうだ」
半兵衛「どうかお考え直し頂けないでしょうか? ここで松寿丸を手にかければ、黒田の一族を敵にまわすことになります。播磨(兵庫県だよ)を平定(敵に勝って平和にする的な)するには、黒田の力が必要不可欠」
信長「ならん」
半兵衛「どうしてもダメだと?」
信長「くどい」
半兵衛「………承知つかまつりました。ではこの半兵衛が、松寿丸を始末いたします」
豊臣秀吉「は、半兵衛!!」
半兵衛「短い間ではありましたが、官兵衛とは共に策を練った仲。何も知らない者に殺されるくらいなら、私がやります」
秀吉「くぅ……………」
半兵衛「信長様。それでよろしいでしょうか?」
信長「いいだろう。では半兵衛、その方に任せたぞ」
半兵衛「はっ!」

信長の怒りは、簡単におさめることはできない。彼の周りに仕えてる者は、そのことをよく知っている。
秀吉は感情を表に出し、半兵衛はあくまで内に秘め、松寿丸がいなくなることを嘆きます。二人に共通していたのは、苦渋の決断だったということ。
松寿丸は、竹中半兵衛の手によって、その短い生涯を終わらせることになります。まだ10歳になるかならないかの、若い命でした…。

ここから先は会員限定のコンテンツです

無料!
今すぐ会員登録して続きを読む
会員の方はログインして続きをお楽しみください ログイン

関連書籍

房野史典『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代』

欲、プライド、裏切り、友情、愛、別れ…。戦国時代ほど、感動満載、人間関係ドロドロ、かつ超フクザツな時代はない。「昼ドラみたいな応仁の乱」「超嫌われ者だけどマジメでいいやつ石田三成」「家康をビビらせまくった真田昌幸の最期」など、軽やかな語り口で時代の流れがみるみる頭に入る。笑いあり涙あり、日本史愛が加速する戦国時代解説本。

房野史典『笑えて、泣けて、するする頭に入る 超現代語訳 幕末物語』

猛烈なスピードで変化し、混乱を極めた幕末。吉田松陰は、プリズンライフをエンジョイして牢獄を学校にしちゃうし、勝海舟は幕府を「オワコン! 」って言っちゃうし、坂本龍馬が新時代の構想をパーフェクトに語った噂は嘘かもしれないし。超フクザツで、その分ドラマチックな時代を、「圧倒的に面白い」「わかりやすい」と評判の超現代語訳で一気読み。

{ この記事をシェアする }

超現代語訳 戦国時代 笑って泣いてドラマチックに学ぶ

歴史大好き芸人・ブロードキャスト!!の房野史典さんが、戦国時代を、”超現代語訳”したら、こんなにおもしろい物語になった!
東大卒の某人物も「こんなに頭にすんなり入ったことがない」と大絶賛したという、驚愕のわかりやすさ&面白さ。
NHK大河ドラマ「真田丸」でも大人気の「真田三代」のほか、歴史好きにはたまらない人選と人物描写で、読ませます。
戦国時代ほど、人間ドラマの宝庫はない!連載開始直後から、大人気。教科書で見かける有名な武将たちも、思わず可愛く思えてくる。笑いあり、涙ありの、戦国ドラマを、ぜひ。
→→連載人気が沸騰に沸騰して、ついに書籍化!『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代』は絶賛発売中です。

バックナンバー

房野史典

1980年、岡山県生まれ。名古屋学院大学卒業。お笑いコンビ「ブロードキャスト!!」のツッコミ担当。無類の戦国武将好きで、歴史好き芸人ユニット「ロクモンジャー」を結成し、歴史活動にも意欲的。子どもたちに歴史の面白さを教える授業も好評。初の著書『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代』でブレイク。その他の著書に、『笑えて、泣けて、するする頭に入る 超現代語訳 幕末物語』『時空を超えて面白い! 戦国武将の超絶カッコいい話』など。

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP