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マンガ停留所

2016.07.16 公開 ポスト

難解だと思われていた原作『死者の書』がこんなにもすらすら読めるようになる!
近藤ようこ『死者の書』
中条省平

 折口信夫の唯一の長編小説『死者の書』(1943年)をついに通読できました。

 日本幻想小説の傑作として名のみ高かったこの作品が中公文庫に入ったのは、私が高校生のころのことです。喜んですぐに買い求め、読みはじめたものの、その古文・古語を交えたひどく癖のある文体と、客観的状況の見えない錯綜した筋立てのせいで、まもなく読むのを諦めてしまいました。

 そのことがずっと気になっていたのですが、今回、『死者の書』を40年ぶりに通読できたのは、近藤ようこのマンガ版『死者の書』のおかげです。

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中条省平

1954年神奈川県生まれ。学習院大学フランス語圏文化学科教授。東大大学院博士課程修了。パリ大学文学博士。著書『中条省平は二度死ぬ!』『文章読本』など。翻訳書最新刊はロブ=グリエ『消しゴム』。

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