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開成→東大文Ⅰ→弁護士が教える 一生役立つ「独学」のコツ

2016.09.14 公開 ポスト

試験合格の合言葉は「みじん切り」と「ちょい背伸び」鬼頭政人

計画をたてるときは「みじん切り」で。


 世の中には、難関といわれる試験をたやすく突破する人もいれば、何年頑張っても成果の出ない人もいます。この差はいったいどこから出てくるのでしょうか?やっぱり合格する人は、生まれつき優秀だからなのでしょうか?
 開成→東大文Ⅰ→弁護士と、いわゆる難関試験を突破し
結局、ひとりで勉強する人が合格する』を執筆した鬼頭政人さんによると、合格できるかどうかの分かれ道は、「独学のコツ」を知っているかどうかだといいます。ポイントは、いかに効率よく勉強し、それを持続させられるか。この連載では、いちど身につければ一生役立つ、独学のコツをご紹介いたします。

「負け癖」がつくと、合格は一向に近づかない>

 試験に落ちた理由を「勉強の計画がよくなかった」と考える人がいます。そんな人は、落ちた原因が「勉強の計画」にあるのではなく「自己管理能力の欠如」にある場合が多いです。

 自分への甘えをやめなければ計画など立てても意味がありません。落ちた原因は「単に勉強していないだけ」なのです。

 当たり前のことですが、計画というものは、すべて「最終目標の達成」のためにあります。通常、最終目標というものは遠くて今のところ実現が見えないものであることから、日々何をすればいいか、という行動のレベルにまで落とし込む必要があります。

 そこで、「計画」を立てることで、日々の行動指針を作っていくわけです。勉強の計画方法については、巷でさまざまな方法が提唱されていますが、ここでは「何をやるか」「いつやるか」ということよりも重要な、「どこまで計画するのか」という点に絞ってお話しします。ポイントは以下の2つです。

(1)計画は「みじん切り」にする

(2)「ちょい背伸び」して計画する

<最終的には、時間単位の計画にまで落とし込む>


 まず、計画を立てる際には、可能な限り「みじん切り」にする必要があります。私は、試験に向けた勉強をする際、必ず、その「日」に何をやるかをあらかじめ決めて勉強に臨んでいました。もっと言うと、「10時から勉強を開始し、12時までにこれを終わらせる」という形で「1日」の単位よりもさらに細分化した形で計画を立てているのです。

 勉強の計画を立てる1つの効用に、自分に時間的なプレッシャーをかけられる、という点がありますが、「1日」単位だとそれが弱い。午後の勉強で気持ちが入らないと「夜にやればいいや」となる「先延ばし精神」が頭をよぎるわけです。

 では、もっとプレッシャーをかけるにはどうしたらいいかと言えば、より細分化するしかありません。「18時までにこの分野の過去問演習を終わらせる」といったことで、こまめに自分にプレッシャーを与えていくことができます。

 実際の試験本番では、解答時間は決まっていて、秒単位でプレッシャーがかかってきますので、普段からこうしたプレッシャーを意識して勉強するのが得策ですし、小さな達成感を積み重ねていくことができるので「色々なタスクをこなした」というちょっとした自負にもつながります。

 私はこれらの勉強法を「当たり前」と思っていましたが、自ら資格試験のビジネスを始め、さまざまな受験生に話を聞いていくと、意外と実践できていない人が多いことに気づきました。「1日」単位ですら、なかなか計画できていません。

 漠然と「今月中にここまでやろう」程度の「緩い」目標を立てていて、日々の勉強では「今日はこの辺でいいか」となるのがよくあるパターン。計画自体が「緩い」から、日々の勉強では計画の達成・未達がわからず、なかなかプレッシャーがかからない。試験前になって初めて「やばい、試験まであと○日しかない!」とプレッシャーを感じるものの、ときすでに遅し、となるわけです。

 人間誰しも弱い動物なのです。だからこそ日々プレッシャーがかかるように、「日別」どころか「時間別」にまで計画を落とし込んでいくのです。

<「ぎりぎり終わらない」分量を目安にする>

 そして、日別の勉強計画を立てる際のポイントは「ちょい背伸び」。思春期に、実際はいないのに「俺、彼女できた」と言っていた知人友人に心当たりはありませんか? 背伸びをして「彼女持ち」になろうとしていたあのころの友人と気持ちは同じ。「ちょい背伸び」をして少し高い境地に達しようとしてみてください。

 そうすると不思議なことに張り合いが出てくるものです。ポイントは「ちょい」背伸びであって、「思いっきり」ではないこと。「思いっきり」背伸びすると足がつりますので、ヨロヨロとなって計画がとん挫するのが普通になってしまい、結果「負け癖」がつきます。

 私は日々の計画を立てる際、勉強時間から考えるとぎりぎり終わらないくらいの分量を自分に課していました。たとえば、司法試験直前であれば、少なくとも1日12時間くらいは勉強していたと思いますが、13~14時間くらい勉強しないとこなせないタスクを自分に課すのです。

 1日24時間は変えられません。単純に勉強時間を延長するのには限界があります。そこで、電車に乗っている時間、電車を待っている時間、お風呂の時間、最寄り駅からの帰り道など、さまざまなスキマ時間で勉強したり、昼食後に眠くなって集中力が低下しないよう細切れに栄養を摂取したり、何とかそのタスクをこなそうとする「工夫」をするようになります。

 時間割での行動レベルまで計画を落とし込み、「ちょい背伸び」をしながら勉強を進めていけば、自然と実力はついていきます。

次回「いくらノートをきれいにとっても東大には合格できない」は9月18日(日)公開予定です。

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鬼頭政人『開成→東大文I→弁護士が教える超独学術 結局、ひとりで勉強する人が合格する』

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開成→東大文Ⅰ→弁護士が教える 一生役立つ「独学」のコツ

  世の中には、難関といわれる試験をたやすく突破する人もいれば、何年頑張っても成果の出ない人もいます。この差はいったいどこから出てくるのでしょうか?やっぱり合格する人は、生まれつき優秀だからなのでしょうか?
 開成→東大文Ⅰ→弁護士と、いわゆる難関試験を突破し、『結局、ひとりで勉強する人が合格する』を執筆した鬼頭政人さんによると、合格できるかどうかの分かれ道は、「独学のコツ」を知っているかどうかだといいます。ポイントは、いかに効率よく勉強し、それを持続させられるか。この連載では、いちど身につければ一生役立つ、独学のコツをご紹介いたします。

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鬼頭政人

1981年生まれ。開成中学、開成高校を経て、現役で東京大学文科一類(法学部)に合格。卒業後は、慶應義塾大学法科大学院に進学し、在学中に司法試験に一発合格。司法修習を経て都内法律事務所に弁護士として勤務。ベンチャー企業を支援したいとの思いから投資ファンドに勤務した後、2013年12月、資格試験対策をオンラインで提供する「資格スクエア」を創業。

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