9マス将棋って何？　室谷由紀女流二段がプロ棋士・高野智史四段、梶浦宏孝四段と対戦して、遊び方を披露！

8月6日（土）の「東急百貨店 将棋まつり」にて、人気女流棋士・室谷由紀女流二段による「9マス将棋って何？」のイベントが行われ、多くの将棋ファンが集まるなか、新鋭のプロ棋士・高野智史四段と梶浦宏孝四段を相手に「9マス将棋」の遊び方を披露していただきました！

「9マス将棋」とは、3×3のたった9マスの盤の中で、「駒を取る」「成る」「打つ」「王手」「詰み」などの将棋の基本ルールを覚えながら、対戦の楽しさも味わえるミニ将棋ゲームです。

初期配置はなんと40通り。イベントでは、室谷女流がその中のいくつかを選び、プロ棋士のおふたりに正解手順を解いてもらうという流れで行われました。

「９マスといっても意外と奥が深い。まったくの初心者でも、すでに将棋のルールを知っている方も楽しめます。なかには、プロ棋士の先生方も考え込んでしまった難しい問題もあり、初心者から上級者まで遊べるんです」と室谷女流も一押しです。

では、さっそく問題です（下写真）。先手（下側）が「歩」をもち、後手（上側）が「金」をもっています。この配置では、どちらが勝つでしょうか。ルールは通常の将棋と同じですが、１段目が駒の成れる場所です。

持ち駒を見ると後手（△）の「金」のほうが有利ですが、手番を握っているのは先手（▲）です。

正解手順は、▲２二歩、△３一金、▲２三玉、△２二金となって、後手の勝ちでした。
「金がどれだけいい駒かわかりますね」と高野四段。この問題は、いくら手番を握ったとはいえ、「歩」は「金」には勝てない、ということがわかります。

では、次の問題です。先手の持ち駒を「歩」からワンランクアップした「香車」にします。この配置では、どちらが勝つでしょうか。

「香車」でもやはり頼りなく、「金」のほうが強そうに見えると、梶浦四段も初手を悩みます。先手と後手、どちらが有利でしょうか。

正解手順は、初手▲１三香の王手から、△2一玉、▲2三玉、△2二金と打たれ、やはり先手の負けでした。

では、先手の「玉」を１マス上げるとどうでしょうか。
会場の皆さんの予想はわかれました。

正解手順は、王手の▲1三香から、△1二金、▲同香、△同玉、▲2二金、△1三玉、▲2三金で、先手の勝ち。

「玉」の位置が変わっただけで、今度は先手の勝ちとなりました。
「なるほど、奥が深いですね」と高野四段も納得のご様子。

練習問題がひと通り終わったところで、今度は難問に挑戦です。
「角」と「飛車」の大駒が登場しました！
３×３の9マスの中でいきなり大駒がぶつかり合います。わくわくしますね。

では、先手が「角」、後手が「飛車」をもっています。
どちらが勝つでしょう。または引き分け（千日手）でしょうか。

プロ棋士のおふたりは悩んだ結果、高野四段は「将棋は先手が勝つべきなので、先手が勝ち」、梶浦四段は「やはり角より飛車のほうが強い印象があるので、飛車をもっている後手が勝ち」と予想しました。

ちなみに、室谷女流は最初この問題を間違えてしまったそうです。
会場の皆さんの意見もわかれましたが、後手勝ちが若干多いようです。

プロ棋士のおふたりも悩んだこの問題。
果たして、どちらが勝つのでしょう……？

正解手順は、初手の「角」の打ち場所がポイントとなります。
いきなりの上級問題に会場も大いに盛り上がりました。

「9マスってすごく小さいけど、意外と手が続き、とても面白かったです！」と梶浦四段。

「9×9の81マスある普通の将棋と違って、3×3の9マス将棋は３分の１の大きさ。だけど、そこに将棋のすべてがギュッと詰まっていますね」と高野四段も大絶賛。

当日「将棋まつり」に参加されていた羽生善治三冠も控え室で「なかなかだね」と楽しんでいたそうです。

「9マス将棋」は8月25日に全国の書店・玩具店で発売いたします。すでに将棋を知っている方は頭の体操になりますし、ルールから覚えられるので、これから将棋をはじめるというお子さんとも一緒に楽しんでいただけます。ぜひこの夏に試してみてください。

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