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赤い口紅があればいい

2016.10.15 公開 ポスト

すべての女性は目立たないように生きてはいけない。野宮真貴

「効率的に美人になって、もっと人生を楽しみましょう。」とは、元ピチカート・ファイヴ3代目ヴォーカリストとして、国内外を一世風靡した、野宮真貴さんの言葉です。もともと器量がよくなかったという野宮さんが、35年にわたる人に見られる歌手という仕事を通じて獲得した「美人に見せるテクニック」を赤裸々にまとめた『赤い口紅があればいい いつでもいちばん美人に見えるテクニック』が発売されました。今回は「はじめに」を抜粋。野宮さんの本書に込めた思いをご覧ください。

ほんの数千円で新しい自分に出会える

「あなたは赤い口紅をつけたことがありますか?」

 久しぶりに同窓会で集まった女友達に質問をしたところ、「一度もつけたことがない」と答えた人が予想以上に多くて驚きました。同窓生ですから、私と同じく50年以上も女性として生きてきたにもかかわらずです。

 さまざまなおしゃれやメイクを経験してきたはずの彼女たちが、なぜ「赤い口紅」に対してだけは臆病になるのでしょうか?

「似合わないから」「派手だから」「うまく塗れないから」「悪目立ちするから」「歳としだから」「私なんかが……」その理由はいろいろありそうですが、そんな方にこそ、ぜひ赤い口紅にチャレンジしてほしいのです。さらに言わせてもらうならば、普段はほとんどメイクをしないという方にも、いきなり赤い口紅をおすすめします。

 フランスのマダムたちがどうしてエレガントに見えるのか? 実際にパリで観察してみると、彼女たちの多くは、素肌を生かしたナチュラルメイクに赤い口紅をつけることで洗練された雰囲気を醸し出しています。

 つまり、ノーメイクに赤い口紅さえつければ、〝手をかけてる感〟も〝きちんと感〟も〝若々しさ〟も演出できてしまうのです。さらには〝意志のある大人の女性〟にさえ見えてしまいます。

 恐れることはありません。赤と言ってもさまざまな赤がありますから、あなたを引き立たせてくれる赤い口紅は必ず存在します。そして、それぞれの年齢や肌に合わせて、色や質感選びを間違えなければ、〝いつでも、いちばん美人〟に見えるのですから、使わない手はありません。

 私は50代になってから赤い口紅をつける機会が増えました。ようやく気負うことなく赤い口紅をつけられるようになり、フランスのマダムたちのような〝こなれ感〟を演出するテクニックも覚えたからです。

 ダイヤモンドの強い輝きが、シワが深くなればなるほど似合ってくるように、赤い口紅は大人の肌を華やかに彩ってくれます。

 たとえダイヤモンドを買うことができなくても、赤い口紅ならほんの数千円で手に入ります。それで新しい自分に出逢うことができるとしたら?

 赤い口紅は女性の特権。

 赤い口紅は女性のシンボル。

 赤い口紅は女性の誇り。

 すべての女性は決して目立たないように生きてはいけません!

 赤い口紅は、たとえつけない日でもポーチの中に入っていると思えば、女性としていつでもスタンバイOKと自信が持てるのです。

 プロのヘアメイクでもスタイリストでもない私は、誰にでも当てはまるハウツーを解説することはできませんが、人から見られる歌手という仕事だからこそわかること、自らトライ&エラーをして手に入れた方法や秘訣をみなさんにお伝えすることならできます。

 私は、生まれつきの美人ではなかったので、なんとか雰囲気だけでも美人になろうとここまでやってきました。今、56歳。いつの間にかノウハウもたくさんたまってきました。35年の歌手人生で培ってきた「美人に見えるテクニック」もあります。要は「美人に見えればいい」のですから、手抜き美容、やりくりおしゃれのテクニックもご紹介したいと思います。むしろ、手抜きで美人になって、残った時間やお金でもっと自分の好きなことをやったほうが良いと思っているくらいです。

 たかが美人。されど美人。美人にはなりたいけれど、それで幸せが保証される訳ではありません。ですから、無理のない範囲で、お金と労力をかけるくらいがちょうどいいのです。

「赤い口紅があればいい」とは、効率的に美人になって人生を楽しむ処世術でもあります。私もずいぶん回り道をしてきたので、余計な苦労をせずに済むよう、美人になれる秘訣をそろそろみなさんにお伝えしたほうがいいと思えてきたのです。

 さあ、美人になりましょう。

*野宮真貴さんの具体的なテクニックは、『赤い口紅があればいい いつでもいちばん美人に見えるテクニック』にまとまっています。目次は、こちら。ぜひご覧ください。

 

関連書籍

野宮真貴『赤い口紅があればいい いつでもいちばん美人に見えるテクニック』

この世の女性は、みんな“美人”と“美人予備軍”。大事なのは、美人に見えるかどうか。赤い口紅で手に入る洗練とエレガンス。四十歳を過ぎると逆転するリアル美人と雰囲気美人。美人は幸せの絶対条件ではない。だからお金と労力は無理なく。あとは自分の好きなことに使おう。永遠のおしゃれアイコンによる、効率的に美人になって人生を楽しむ法。

野宮真貴『おしゃれはほどほどでいい 「最高の私」は「最少の努力」で作る』

見た目を整えるために時間やお金をかけすぎるのはもったいない。普段から効率的に自分 をよりよく見せる方法を知っておくことが大事。「いつも同じ服でいい」「いざという時は 黒に頼る」「自分のトレードマークを作る」「赤い口紅を味方につける」 etc. …。 元ピチカ ート・ファイヴのおしゃれカリスマが伝授する、今の自分を愛し、今の自分を生かすコツ。

野宮真貴/ジェーン・スー『美人になることに照れてはいけない。 口紅美人と甲冑女が、「モテ」「加齢」「友情」を語る』

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赤い口紅があればいい

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野宮真貴

ピチカート・ファイヴ3 代目ヴォーカリストとして、90年代に一世を風靡した「渋谷系」ムーブメントを国内外で巻き起こし、 音楽・ファッションアイコンとなる。2019年はデビュー38周年を迎え、音楽、ファッションやヘルス&ビューティーのプロデュース、エッセイストなど多方面で活躍している。2012年から渋谷系とそのルーツの名曲を歌い継ぐ音楽プロジェクト「野宮真貴、渋谷系を歌う。」を行っており、その集大成となるベストアルバム「野宮真貴 渋谷系ソングブック」(ユニバーサルミュージック)をリリースしている。野宮真貴をヴォーカリストに迎えた日本コロムビア時代のピチカート・ファイヴベストアルバム「THE BAND OF 20TH CENTURY: Nippon Columbia Years 1991-2001」がアナログ盤7inch BOXとCDアルバムが好評発売中である。

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