あなたの周りに、タバコのポイ捨てを注意するような人はいますか。
売れ行き好調な『絶対正義』(秋吉里香子・著)のヒロインは、些細な違反や罪を見つけ次第、家族でも、親友でもすぐに警察に差し出す新種のモンスター女です。異常すぎる正義感の持ち主と仲良くしてしまった、アラフォー女性たちの怖すぎる物語を3回に分けて徹底解剖! 第1回は、ストーリーと登場人物の魅力をお届けします。
あらすじ紹介ー正義しか愛さない女・範子は殺されます。
高槻範子は、高校生のときからいつでも礼儀正しく、どんな小さな違反も罪も許しません。卒業し、結婚して子供を持った今でもなにより正義を愛していました。正義感と使命感に溢れた範子は、同級生4人ー和樹、由美子、理穂、麗香が窮地に陥る度に救っていました。しかし、感謝していた仲間たちによって、範子は殺されます。
人物紹介ー正義のモンスター女・範子の被害者たち
今村和樹
ヒットを連発する有名編集者だったが、老舗の出版社から独立、ノンフィクション作家に。最近出版した作品が大きなノンフィクション賞にノミネートされる。
西山由美子
働かない夫と、幼い子ども2人を抱えて、日々掛け持ちのパート仕事に追われる主婦。夫が隠していた借金の存在を知り、離婚を望んでいる。
理穂・ウィリアムズ
石森麗香
子役タレントから、演技派女優にうまく転身し、成功する。キャリアは順調だが、妻子ある男性との関係に悩んでいる。
殺した女からなぜ手紙が届くのか?
4人全員で殺した範子から届いた結婚式の招待状。送ってきたのが範子であるはずがない。五年前のあの日、確かに全員で殺したのだから。しかしそうだとすると、仲間のうち誰かが送ってきたとしか考えられなくなる。由美子、和樹、または麗香。
送り主はいったい誰なのか?
著者・秋吉理香子さんによるメッセージ