27歳という県政史上最年少の若さで神奈川県議会議員に当選し、現在は民進党に所属する政治家・中谷一馬さんの著書『だから政治家になった。』が好評発売中です。
母子家庭の貧困育ちで元ヤンキー、飲食店経営からIT企業の創業……と異色の経歴を持つ政治家が、自身の波乱の半生と、国政で実現すべき具体的な政策について熱く綴っています。
2014年、衆議院議員選挙に立候補した中谷さん。すべての私財を投じて挑んだ国政選挙でしたが、落選してしまいます。「政治家は選挙に落ちればただの人」などといわれるように、待っていたのは厳しい日々でした。
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選挙後は、仲間たちと本当に大変な思いをしました。
少し話が脱線しますが、当時、真剣に結婚を考えている彼女がいました。僕が神奈川県議会議員に立候補をしたときに別れた彼女で、話し合いを重ねた末に結婚を前提に再び付き合うようになっていました。そして、その年のクリスマスにプロポーズをしようと考え、婚約指輪を作りに行って、レストランを予約して、準備を進めていました。
衆議院議員選挙の公認をもらうことができて、彼女とも順調。順風満帆の有頂天でもうほっくほくの状態だったはずが、突然の解散総選挙に敗北し、落選。プロポーズどころではなくなりました。
県議会議員を辞めて僕自身、収入がなくなり、一緒に頑張ってきてくれたスタッフも職を失ってしまいました。明日からどうやってご飯を食べていくか、という状態で、結婚どころではなくなってしまいました。
僕自身もまずは、支えてくれた仲間たちの仕事探しからスタート。家族を養っていかなければならないのに、僕が落選したせいで仕事がなくなる人たちがいたので、そのフォローを最優先で行いました。
また僕自身も、残って一緒に政治活動をしてくれる仲間たちとどうやってご飯を食べていこうかと模索する、そんな日々でした。
支えてくれたスタッフは、幸い、全員が就職をすることができました。それで僕も少しだけ肩の荷が下りました。
政治の世界では、「人」「物」「金」は自分で集めるのが政治家の器量だとも言われます。
言うは易しですが、簡単なことではありません。お金持ちの二世、三世ならいざ知らず、特に僕たちのような地盤・看板・鞄など何もない新人が政治の道を目指すことはとても困難で参入障壁が高いのです。
結局、この問題が解決できずに、政治家を諦めざるを得ない人が多いのも事実です。
僕の周りにもそんな人が多くいました。残念なことですが、現状ではどうにもなりません。
こうした仕組みも自分が当選して現職になることができたら、どんな境遇・環境にいる人でも政治に挑戦できるように整備を行いたいと思います。