ヒマラヤの秘境にて修行をし、究極のサマディ(悟り)に達した、ヒマラヤ大聖者・ヨグマタ相川圭子さん。「多くの人に幸せになっていただきたい」という思いから著した新刊『ヒマラヤ大聖者のマインドフルネス』より、日常生活で今すぐ実践でき、悩みを手放し健康体質になれる「瞑想的生き方」をお届けします。
(刊行を記念して4月3日紀伊國屋ホールにて講演会を開催します)
「今度は絶対間違えないようにしよう」と意識していたにもかかわらず、同じような失敗を繰り返してしまうことがあります。なぜでしょうか。それは、気をつけようと「意識」したからです。心のとらわれがあるからです。
過去の失敗を思い返し、同じような事態に陥らないように心掛けることは、一見いいことのように思えます。しかし、「意識する」「心掛ける」ということは、心を働かせていることに他なりません。
本来、持っている能力を正しく発揮するためには、無心になる必要があります。たとえば、アスリートの中には、能力は素晴らしいにもかかわらず、オリンピックなど、ここ一番の舞台に限って失敗をしてしまう人がいます。
そういう人はたいてい「あの人の恩に報いたい」「絶対に金メダルをとる」「国民の期待に応えたい」など、いろいろな思いを抱えています。そうしたことは、心にとっては「心配」であり、体を重くします。否定的な思いに意識が行き、「あ、前回はここで失敗したな」と思った瞬間、その人の負のエネルギーにつながってしまうのです。そのため、勝負に挑むと、本来の力を発揮することができません。
いっぽう、本番に強い超一流のアスリートは、無心で、心を空っぽにして、今に集中できるのでしょう。それができるからこそ世界のトップに立てるのです。
過去にとらわれず、まわりを気にせず、未来の評価を意識しない。心を無にして、今、この瞬間と向き合いましょう。それが失敗をはねのけ、大きな成功を招くのです。
過去の失敗にとらわれない。
未来の評価を意識しない。