ヒマラヤの秘境にて修行をし、究極のサマディ(悟り)に達した、ヒマラヤ大聖者・ヨグマタ相川圭子さん。「多くの人に幸せになっていただきたい」という思いから著した新刊『ヒマラヤ大聖者のマインドフルネス』より、日常生活で今すぐ実践でき、悩みを手放し健康体質になれる「瞑想的生き方」をお届けします。
(刊行を記念して4月3日紀伊國屋ホールにて講演会を開催します)
人は自分自身と向き合い、自分を知りたいと願っています。「自分の短所はなんだろう?」「どうすればもっと優秀な人間になれるのだろう?」。一生懸命自己分析をして、自分を成長させるために努力している人もいるでしょう。けれども、その行為は、心をこねくり回して心の働きを強め、かえって自分の真の姿を遠ざけるのです。自分の内側を見て、あるいは人と比較して、「ああ、私にはこんなにルーズなところがある」と落ち込み、「意地悪な自分もいるのだ」と嘆きます。その度に、「自責」「後悔」「自己嫌悪」などの思いが増幅し、心が濁っていきます。逆のケースで相手を心の中で非難することもあります。
自分を否定すると、次に生じるのは自己防衛の力です。「失敗したくらいで、責めなくてもいい」と、エゴや反抗心が芽生え、自分が壊れるのを防ごうとします。
自分を分析して欠点と向き合ったとき、素直に反省して行動を改め、前に進むのが理想です。でもエゴが染みついているためなかなか変わりません。分析によって、心に傷がつき、過敏になってそれを超えられないからです。
心の分析や心理学の技法では、癒すのは難しいのです。分析に過剰なエネルギーが注がれ、否定的なジャッジで決めつけたことが塊となり、自己を守っているからです。ですから、こうしたやり方では自分を変えられず、かえってこだわりの強い人になります。あるいはいい人を演じて疲れるのです。
本当の意味で自分と向き合い、成長するために大切なのは、分析ではなく、相手を許し自分を許すこと、自分を信じ愛することです。そして心を離して気づきを深めます。あるがままの自分を受け入れることです。
自分を否定すると
自己防衛の力が生まれる。