忘れてはいけない大前提
ではまず、「伝える」についての大前提を1つ押さえておきましょう。2行で表現すると、こうなります。
人は、他人の話を聞きたいとは思っていない。
でも、自分に必要なことだけは聞きたい。
特別な状況を除けば、人は自分が話したいという欲求は大きいけれど、誰かの話を聞きたいという欲求は小さいと思います。学術的な根拠はないのであくまで私の主観によるものです。しかし、あなたにも思い当たる節があるのではないでしょうか。
たとえばかつての数学の授業を思い出してみてください。先生が難しい理論を延々と説明しているとします。聞いているあなたは不快感でいっぱいのはずです。そしてあなたの感情は「要するになんなのかを教えてよ。どうすれば正解を出せるのかだけ教えてよ」ではないでしょうか。その考え方の是非はさておき、伝える相手の感情とはこういうものなのです。
このように人は「伝える」というテーマにおいては、極めて「ワガママ」な考え方をしています。まして忙しいビジネスパーソンであれば、そのワガママ度はさらに高くなることでしょう。
では、そんなワガママなビジネスパーソンに向けて何かを伝えなければならないあなたは、普段からどう「伝える」という行為を考えたらよいでしょうか。どう考えても、答えはこれしかありません。
相手が伝えて欲しいことだけを、簡潔にわかりやすく伝える。
本項のポイントは、そもそも相手はあなたの話を聞きたいとは思っていないという大前提を忘れないということ。このワンメッセージです。
それを忘れてしまう人が、典型的な「話の長い人」「何が言いたいのかわからない人」「話しながら自分だけ気持ちよくなってしまう人」なのです。気をつけましょう。自戒を込めて。
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