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かけこみ人生相談

2017.04.26 公開 ポスト

第87回

「やる気に満ち溢れた職場で、私だけが会社の期待に応えられず焦っています。」回答「誰もが志高く一生懸命仕事しなければならないとは、私は思いません。」岸見一郎

今回の回答者は岸見一郎さんです。

◎相談Vol.87(あーみ・接客業・30歳・女性・大阪府)

 悩みは、漠然としていて、このままではいけないけど、動けない状態です。
 私は30歳になり、独身で、20歳で就職した接客業で今もずっと働いてます。昔から、欲はそんなに強い方でもなく、すごい志を持ってたわけではありません。

 今の職場は環境も良くやる気に満ち溢れた職場です。今まではその中で、私も頑張ろうとやる気をもってやっていたつもりですが、求められる事〈売上目標の達成〉が出来ずもう会社からの信頼はないに等しい感じです。
 今まで気にかけてもらった分、私も返していきたいと思っていますが、どうしても自分の悪いとこと向き合えず、それを隠そうとして小さい嘘をたくさんついてしまいます。

 そういう性格もあって、本当に思ってる愚痴とか誰にも言う事が出来ず、今がすごく苦しいです。今の仕事を辞めても、また同じよう事の繰り返しだろうともわかっていますし、辞める勇気もありません。目標を持つ事が大事とわかってますが、その気力も今は瞬間的でまったく続きません。迷惑かけたくない、後輩に情けない目で見られたくない、思えば思うほど逆効果です。

 どうやってこの負のループを抜け出したらいいんでしょうか?まとまってない文章で申し訳ないんですが、よろしくお願いします。

 

◎お答えします(今回の回答者 岸見一郎)

 悩みは漠然としているうちは解決の糸口を見つけ出すことはできません。一体、何を悩んでいるのか、問題はどこにあるのかを明らかにすることが最初にしなければならないことです。

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ご応募いただいたお悩みは、編集部で選考の上、採用いたします。お悩みには、橋本治さん(1948年生まれ。小説・評論・戯曲など、縦横無尽に創作活動を展開)、三砂ちづるさん(1958年生まれ。津田塾大学教授。世界のお産・子育ての研究をとおして女性の生き方を提案)、藤原美智子さん(ヘア・メイクアップアーティスト。美容の技術から生き方まで幅広く支持される)、藤田晋さん(1973年生まれ。株式会社サイバーエージェント代表取締役社長。起業家のトップランナー)、岸見一郎さん(1956年生まれ。哲学者。アドラー心理学の第一人者)の5名の人生の達人にご回答いただきます。

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関連書籍

藤原美智子『藤原美智子のかけこみ人生相談』

「若作りに見えないようにするにはどうすればいいですか?」 「劣化していく自分の受け止め方を教えてください」 「大好きだった元彼が忘れられません。妻であり母であるのに最低だと思います」……。 何歳になっても美醜は気になるし、恋人や家族との関係にも悩みは尽きない。 人生のなかで、諦めるものと受け入れるもの、優先順位はどう判断すればいいのか――? ヘアメイクの第一人者として人生を切り拓いてきた藤原美智子さんが、鮮やかに回答。 実質的で率直な言葉に前に進む勇気が湧く! <目次> ◆「『若作り』に見えないようにするにはどうすればいいですか?」 回答「肌と髪の『艶』を作るしかありません」 ◆「子育てに参加しているのに妻は不満を言います」 回答「スポットライトを浴びない部分に気づいてください」 ◆「劣化していく自分の受け止め方を教えてください」 回答「人生で大事なのは“老い”に焦点を合わせることではありません」 ◆「飲むとお金のことを聞いてくる友達がいやです」 回答「その友達に収入はいくらか逆に聞いてみましょう」 ◆「大好きだった元彼が忘れられません。妻であり母であるのに最低だと思います」 回答「忘れてください。人は忘れようと思えば忘れられます」 ◆「一生旅を続けるにはどうしたらよいでしょうか」 回答「旅のために稼ぐ時間が“仮の私”にならないように」 ◆「今やりたいことがわからないままの就職活動が苦しい」 回答「考えているだけでは何も見つからないし、進展しません」 ◆「仕事が行き詰まるとお菓子ばかり食べてしまう」 回答「おやつの問題ではなく、ストレスに負けない生活づくりを」 ◆「私は仕事をなめているのでしょうか?」 回答「真面目にこなすだけでなく満足感を味わう工夫を」 ◆「彼と結婚したいけれど、生活力のない両親を見捨てることはできない」 回答「どちらかを切り捨てない解決法がある」 ◆「夫が週2回デリヘルその他の性的サービスを受けています」 回答「夫婦の間で一番大事にしていることは何かで答えは変わります」 ◆「オーガニック化粧品の種類が多すぎて難民化しています」 回答「メーカーの理念がパンフレットなどに表明されているかを見てください」 ◆「寂しさとストレスで『買い物依存』がやめられません」 回答「自分を変えたい時に『気持ち』に耳を傾けてはいけません。とにかく走ったらどうでしょう」 ◆「熱中することがない学生生活に焦ります」 回答「学生時代が人生で一番楽しいわけではありません」 ◆「30代半ばの女性派遣社員。先が見えず苦しい」 回答「悩みが抽象的です。頭の中をクリアにする思考法を身につけて」 ※本作品は、幻冬舎plus(http://www.gentosha.jp/)で、2013年11月〜2016年3月に連載した「かけこみ人生相談」の藤原美智子さんの回をまとめたものです。

橋本治『橋本治のかけこみ人生相談』

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岸見一郎

1956年、京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋古代哲学史専攻)。著書に『アドラー心理学入門』(KKベストセラーズ)、『幸福の哲学』(講談社)、『人生を変える勇気 踏み出せない時のアドラー心理学』(中央公論新社)、『老いた親を愛せますか?それでも介護はやってくる』『子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気』『成功ではなく、幸福について語ろう』(幻冬舎)訳書にプラトン『ティマイオス/クリティアス』(白澤社)などがある。共著『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)はベストセラーに。

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