『インカメ越しのネット世界』の出版を記念して書籍にも収録されている、はあちゅう×りょかちの特別対談「女の子がいつまでもネットの第一線に立ち続けるために〜」の一部を大公開します!
はあちゅう (名刺を見ながら)りょかちさんは、LINEで働いているんですか?
りょかち はい! 会社ではWEBディレクターをやっています。
はあちゅう 私、他の会社だとずっと誤解してました。
りょかち 最近会社の名前を出すようになったのですが、「渋谷の緑の会社」と誤魔化していたら誤解されちゃって。
はあちゅう 今は入社何年目ですか?
りょかち この春(2017年4月)から2年目になります。
はあちゅう まだ社会人歴は1年なんですね。なぜLINEに?
りょかち 私はもともと編集者になりたかったんですけど、本自体をつくるというよりも、情報を発信したことによるパワーに興味がある自分や、本がつくるコミュニティを作りたい自分に気づいたんです。それなら、本にこだわる必要はあまりないかなと。WEBも大好きだったこともあって、最終的にIT企業に入りました。
IT企業もいろいろあるのですが、日本では、LINEは本当に多くの人が使っています。いろんなIT企業はありますが、これだけ老若男女問わずみんなに受け入れれているサービスって本当に稀有だと思います。なかなかそういうものを個人でつくるのは難しいし、「みんな」をターゲットとしてユーザーに向き合っていくことは、今LINEという企業に所属してしか出来ないことかなあと思って入社しました。
それで実際、今めっちゃ楽しくて。個人では文章を書くことが多いのですが、ディレクターとしてはサービスの機能の企画やキャンペーンの設計をしたり、画面デザインをメンバーと一緒に考えたりするんですね。すると人を動かすアイデアという意味での「企画」は同じでも、実現する方法もユーザーから返ってくるものも違う。執筆とサービスづくりの両方があることで、自分の中で新鮮な発見があるんです。楽しいですね。
はあちゅうさんも入社1年目からネットなどで知られた人だったと思うのですが、その頃はどうでしたか?
はあちゅう なるべく気にしないようにしていたけど、冷ややかな目と温かい目の両方があったように思います。WEBが好きでこれからいろいろ取り組んでいきたいという先輩からは「ちょっと意見、聞かせてよ」と可愛がってもらえたのですが、その反面、「調子に乗っている」と噂をたてられたこともありました。
りょかち 私も良し悪し両面ありますね。会社は理解ある自由な社風だと思います。ただ個人レベルでは「本業に集中しろよ」と思われてるのは絶対にあって。そういうものに対する葛藤はあります。
はあちゅう 面と向かって「仕事しろよ」と言ってくる人はいましたか?
りょかち ちょっとした時に「WEBディレクターが副業なんでしょ」「会社での仕事は頑張らなくていいんじゃない」みたいなことを言われたことはありました。副業があるからって、本業を疎かにしているわけじゃない。どちらかが本気というわけでなく、どっちも本気でやっているのに悔しいなあという思いはありましたね。
はあちゅう “りょかち”がネットで浸透していったなあ、とはいつ頃思いましたか? 内定してからですか?
りょかち 「自撮りで有名になったから、カメラアプリのあるLINEに入社が出来たんじゃないか」と内定をとってからけっこう言われたんですけど、就活の頃はまだ普通の大学生だったのであまり関係ないかなあと思っているんです。認知され始めたのは入社の3か月前くらいからです。なので、人事の人もけっこう驚いていました。
はあちゅう 内定をもらってから、自撮りを始めたんですね。
りょかち そうです、そうです! 面接のときは全然関係なく、普通に入社しました。
でも今は文章だけでなく、youtubeやWEARとか個人で情報発信出来るサービスが増えているから、自分も配信していきたいけど、会社の人にどう思われるか考えると、やりづらかったりする人もいるんじゃないかなあと思います。実際私も、「やりたい!」と相談を受けることもありますが、いいことばっかりじゃないよなあ、って思うし。
はあちゅう 私も電通時代、仕事と両立したいとは思っていたけれど、先輩方の中には「ブログやるなら仕事辞めろ」って思ってる人もいるかもしれないと思っていました。実際、ブログに対していろいろ言われることもあったので、居心地が悪かったですね。
りょかち 電通では、言葉を書く仕事だったんですか?
はあちゅう 1年目は中部支社のインターネットの営業だったんですけど、2年目はクリエイティブ試験に受かってコピーライターになりました。コピーライターを1年半やって、2年半でトレンダーズに行ったという流れで。まあ、どの部署にいるときもやっぱり気にしちゃいましたね、ブログのことは。特にコピーライターのときは「こんなブログ更新してる暇あったら、コピーひとつでも書けよ」って言われないかとドキドキしてました。
りょかち めちゃわかります、それ。「他のことしている間に仕事しろって思われてるんじゃないか」と思ってました。
はあちゅう あと、昔から電通にいる人の中にはクリエイティブに対して神聖な気持ちを持っている人もいるので、「自分の中で本当だったら発散できずにたまっていた思いがクリエイティブになるのに、伊藤はそうやってSNSで安易に自己承認欲求を満たしているから、たいしたクリエイターにならないよ」と面と向かって言われたりとか。
Ustreamが日本にきたときに友達と一緒に配信していたら、とある先輩から電話がかかってきて「電通のクリエイターがそんなレベルのしょうもない配信をやってると思われたら、会社の評価が傷つくから今すぐ辞めろ」って言われたこともあります。
りょかち ええ、こわい!
はあちゅう 真っ青になって、そのあと配信で一切しゃべれなくなって……ということがありましたね。あと、「これをつぶやけ」とか「これをRTしろ」と言ってくる人もいました。
りょかち あ~……。
はあちゅう フォロワー数を張り合ってくる先輩とかもいましたよ。
りょかち そんな人もいるんですね。
はあちゅう そう。その人が私のフォロワー数を一瞬抜いたことがあって。そしたら、業務中に電話がかかってきて「ツイッター見てる? 俺、お前のフォロワー数抜いたよ!ざまあ!」って。
りょかち すごーい! そんなことあるんですね。
はあちゅう なんだろう……フォロワー数とかを気にする人って思われてるのかな。なんかね、いろんな人にいろんな見方をされました。
りょかち 本当、ネットで認知されていくと、会社の中でいい意味でも悪い意味でも目立ちますよね。
はあちゅう そうですね……。やっぱり、ちょっと特別扱いはされますね。
りょかち なるほど。例えば100人フォロワーがいる人と5000人フォロワーがいる人でLINE LIVEで同じ配信をしたとしても、絶対反応が多いのは5000人じゃないですか。私はインターネットを通じてユーザーにサービスを提供している企業なので、テスターとしてまず自社のサービスを自分で試すと、ユーザーからいろんな反応を得られるというのが重宝されてるなあという節があります。そういう部分で私は、ネット企業で良かったなあって感じがあるかもしれないです。
構成:ミノシマタカコ
撮影:菊岡俊子
(つづきは6月1日に公開予定です)
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幻冬舎plusでの連載「インカメ越しのネット世界」はこちら
http://www.gentosha.jp/category/ryokachii
女の子がいつまでもネットの第一線に立ち続けるために〜はあちゅう×りょかち特別対談
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