『猫は、うれしかったことしか覚えていない』(石黒由紀子・文 ミロコマチコ・絵)発売(7月12日)を記念して、石黒さんちのコウハイ(野良出身・オス・6歳)に、日々の「うれしかったこと」を教えてもらいました。
コウハイ、今日のうれしかったこと。それはジロジロ作戦が成功したこと。ソファでヨーグルトを食べているゆっちゃん(飼い主)を、センねえたんと一緒にじーっ、じーっ、じーーーっと見つめるの。そしたらゆっちゃん、ボクたちの視線に負けて、少しだけヨーグルトを舐めさせてくれた。「見られていると食べにくい」って。よし、またやろう!
コウハイ、今日のうれしかったこと。それは昼寝がはかどったこと。窓辺にあるかごの中で、しかくくなって寝るのが最近のお気に入り。暑かったけど風が通って、気持ちよかったよ。後ろの緑が風に揺れてサワサワするので、湖畔でお昼寝しているみたな気持ちになった。湖畔がどんなところかよくわかっていないけど、きっとこんな感じかな、って。
コウハイ、今日のうれしかったこと。それは毛玉を吐き出したこと。「んべー、んべー、おえっ」とやってたら、ひょいとお口から出てきた毛のかたまり。「あら、コウちゃん。上手に吐いたね」って、ゆっちゃんに褒められた。グルーミングして自分の毛を飲み込んで、それを吐き出す。こういうのはリサイクルっていわない? 毛玉を吐くとすっきりするよ。
コウハイ、今日のうれしかったこと。それは見守ったこと。窓から見える欅の葉っぱに、鳥の親子が来るんだよ。芽を突いて食べたり、枝で休憩しているんだけど、あいつら、なんとなくボクんちの様子も覗いているみたいなの。別にいいんだけど「ここにはボクという猫がいるから、あまり好きなようにはさせないぜ!」ってところを示さないと、と思ってさ。
コウハイ、今日のうれしかったこと。それは夕涼みの場所を見つけたこと。ベランダの端っこ、室外機の下よ。緑のネットは「ボクが外に出てしまわないように」とゆっちゃんが付けたけど、こんなの、ないも同然。その気になったら隙間から出ちゃうよ。まぁ、ボクもオトナだから出ないけど。ここでのうたた寝は気持ちよくていい夢見られるの。
「猫は、うれしかったことしか覚えていない」出版記念
ミロコマチコの挿し絵原画展開催
【日程】2017年7月16日 ~ 2017年7月30日 まで
【場所】原宿 絵本が読める小さな喫茶店シーモアグラス