「一日=24時間」は誰にも平等なのに、「仕事も趣味も多彩に楽しんで充実した人生を送っている人」と「そうでない人」がいます。この差はどこから生まれるのでしょうか?
自動車販売会社の経営者にして、多くの著作を出し、ミス・ユニバース・ジャパンのビューティキャンプ特別講師など、マルチに活躍する小栗成男さんは、「一秒の使い方を変えるだけで人生は有意義なものに変わる」と主張します。著書『一秒宝(いちびょうほう) 「嫌なこと」をやめたら、結果を出す時間が増えていく』から、時間密度を高めて人生を楽しむメソッドを紹介します。
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会議の出席者みんなが簡潔にテンポよく発言し、ピリッと引き締まった雰囲気の中で活発に熱い意見が交わされ、大切なことが決定し、予定時間を超過することなくすがすがしく終わる──そんな会議ができたら最高です。
しかし、現実はなかなか難しい。「いろいろな人がいるなあ」と思わされるのが会議です。
私は社内、社外、さまざまな会議に出ます。緊張感があってエネルギッシュな議論ができる会議もあれば、会議資料を読んでいるフリをして居眠りをする人がいるような会議もあります。
ダレた空気の会議には出たくないのですが、立場上、出ないわけにはいかないこともあります。
自分の中で一つ決めていることがあって、どんな種類の会議であっても、その場に身を置いたからには、必ず何か一つでも「自分にとってプラスになった」と言えるものを得て帰ろう、ということです。
そういう意識でいると、くだらない会議なんてなくなります。
むしろ、会議がつまらなければつまらないほど、「この二時間を自分にとって有意義なものにするにはどうしたらいいか」という課題と向き合わなくてはならなくなるからです。
会議は、他の人たちの仕事に対するスタンスや、やり方を知ることのできる絶好のチャンスです。
発言の仕方、プレゼンの仕方、それぞれの個性が出るところです。説得力のある話し方でぐいぐい惹きつける人もいる、いいことを言っているのに、なぜかあまり心に響いてこない人もいる。
議論のたびに、何かというと反対を唱える人もいる。いつも「私も〇〇さんと同意見で……」と同調してばかりの人もいる。
ファシリテーターとして会議を鮮やかに進め、会議をイキイキさせられる人もいる。権力のある人に何か言われるとおどおどしてしまって、ファシリテーターとしての存在感をまるっきり出せない人もいる。
似たようなミスでも、きつく怒られる人もいれば、あまり厳しいことを言われずに済む人もいる。
いったい何が違うのか。観察眼を働かせて見てみましょう。いいところもよくないところも、みんな参考になります。そして、そういうことから学んだものを自分にどんどん活かしていくのです。
「このことを学べただけでも、この会議に出た意義があったな」という気持ちで会議室を出てくることができるようにするわけです。
同じように会議室にいても、じつは人によって流れている時間密度が違います。会議で見聞きし、知ったこと、味わったことを自分の糧としようとする姿勢の人の二時間と、ただぼんやりとその場にいるだけの人の二時間は、同じ二時間でも時間の密度の濃さが違うのです。
自分がその場にいることにどれだけ意味を持たせられるかは、自分の心がけ次第なのです。
その場に身を置いたからには、
プラスになるものを得て帰る。