『猫は、うれしかったことしか覚えていない』(石黒由紀子・文 ミロコマチコ・絵)発売を記念して、石黒さんちのコウハイ(野良出身・オス・6歳)に、日々の「うれしかったこと」を教えてもらいました。
リビングの隅にある本棚の上からこんちくわ。猫はね、高いところに登っただけでうれしくなっちゃうの。ここにいればね、キッチンのほうも見えるしね、どこでだれが何を食べているかとか、すぐわかっちゃうの。それにさ「えいっ!」と飛び降りるときの爽快感はね、たまんないのよね~。じょうずに着地できたときのボク、なかなかかっこいいよ。
ボクが乗っているのはね、ダンポールでできたソファというかベッドというか。爪研ぎ兼用の。でね、そこにゆっちゃん(飼い主)がね、マタタビをちょっと振りかけてくれちゃって……。あれってなに? 急にふわ~としあわせな気分になっちゃうのよ~。ずーっとくねくねしてたら、センねえたんにあきれらました。でも止まらない、くねくね。
朝、荷物が届いたの。荷ほどきしているところにちょうどいいビニール袋があったので迷わずイン! どうこのリッチな感じ。ふんわりやさしく包まれて気持ちいい。この中にいたら、どんな悩みも解決できそう……。なんちゃって、ボク、悩みなんてニャいけどね。悩んでも悩まなくても、ときがくれば解決するって、猫はちゃんと知ってるからね。
こんなに暑いのに、日なたで寝ているセンねえたん。「ゆだっちゃうよ!」と言ってもぜんぜん起きない。その点、ボクは日かげでいい感じ。このベランダね、最初は出してもらえなかったの「危ない」って。でも最近は、ちょっと出てもいいことにってうれしい。ゆっちゃんが見ているときだけだけど、猫の額ほどのベランダにもなかなかいい風吹くよ!
今日はね、ゆっちゃんのところにお客さまがあったよ。おもしろそうな話のときは参加することにしています。「テーブルの上にのったりして、お行儀悪くて恥ずかしい」なんて言ってるゆっちゃん。それはね、ボクがお客さまのお菓子を盗ってから言えば? ほら、ちゃんといい子にしているじゃんか。え、目つきが悪いって? 失礼しちゃうニャー。
「猫は、うれしかったことしか覚えていない」出版記念
ミロコマチコの挿し絵原画展開催
【日程】2017年7月16日 ~ 2017年7月30日 まで
【場所】原宿 絵本が読める小さな喫茶店シーモアグラス