『猫は、うれしかったことしか覚えていない』(石黒由紀子・文 ミロコマチコ・絵)発売を記念して、石黒さんちのコウハイ(野良出身・オス・6歳)に、日々の「うれしかったこと」を教えてもらいました。
枕でもなければ、湯たんぽでもニャい。付け加えれば「うれめしニャ~」とやっているわけでもないのです。ボクが寝ている姿を、ゆっちゃんが盗撮しました。「寝ているときの顔、地味だよね」とか気づかないで! 考えてみるとね「こんなふうに手足を伸ばして眠れるって、しあわせ~」なんて思って。しあわせって思えたのがうれしかったこと。
これは、午後4時ごろ。センねえたんとごはんを待っているときです。え? ごはんのじかんは5時よ。早過ぎ? ボク、寝ているように見える? じゃーん、寝てないよ! 寝てるふりをしてるだけ。だって、ねえたんが心配そうにボクを見てるから、うれしくて。もって見ててほしいから、寝たふりをしているわーけ! わかる? ボクのきもち。
センねえたんがさんぽから帰ってくると、足を拭くとかで少し待たされるわけ、玄関で。おみやげ(中味はねえたんのうんちらしい)を始末をするあいだも待たされるわけなのよ。だから「ねぇ、あれ、にゃに?」なんつって、ボクが話かけたりしてんの。ねえたんのお役にたってる感じがして、うれしいのよね。これって、サービス精神っていうの?
閉め出されました。ボクがベランダに出てることを気づかなかったらしいのよ。いいの? そんな不注意で。ボクはオトナだから柵から飛び出したりしないけどさ、その気になったらなんでもできちゃうからね? 「ニャ!」と短く鳴いてじーーーっと待ってたの。そしたらやっと開けてくれて。「ごめんねー」だって。お部屋に戻れてうれしかったなー。
はーい、しつもんでーす! ボクはどこにいるでしょう? ふっふっふ、わかんないでしょ? 見えないでしょー。隠れるって楽しいよね! だーいすき。ボクが隠れているとね「コウちゃん、どこー? どこにに行っちゃったのかなー」って、ゆっちゃんが探してくれるの。ちょっと棒読みだけど、うれしいの。それにしてもボクって、隠れる天才よね。
「猫は、うれしかったことしか覚えていない」出版記念
ミロコマチコの挿し絵原画展開催
【日程】2017年7月16日 ~ 2017年7月30日 まで
【場所】原宿 絵本が読める小さな喫茶店シーモアグラス