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猫は、うれしかったことしか覚えていない

2017.08.01 公開 ポスト

コウハイ、今日のうれしかったこと その7

「北欧の民族猫」といわれた。おしごとのてつだいをした。追いかけっこした。石黒由紀子/ミロコマチコ

『猫は、うれしかったことしか覚えていない』(石黒由紀子・文 ミロコマチコ・絵)発売を記念して、石黒さんちのコウハイ(野良出身・オス・6歳)に、日々の「うれしかったこと」を教えてもらいました。

 

これ、「猫は、うれしかったことしか覚えていない」出版イベントのワークショップでゆっちゃんが作ったかぶりものです。「この暑いのに何やってくれちゃってんの?」と思ったけど、「似合う」といわれてうれしいですニャ。ミロコさんには「北欧の民族猫」といわれたよ。とりあえずなんでも似合っちゃうボク、まいっちゃうな~。ぐふふ。

 

 

 

 

 

どお? この真面目なよこがお。「学校の音楽室に貼られている作曲家の肖像画みたい」とゆっちゃん。なにか言わないと気がすまないらしい。今日はゲラという原稿の上に乗って、おしごとのてつだいをしたのよ。「“いい原稿の上には猫が乗る”っていうよね」とまたゆっちゃんが。猫が乗ってよろこばれるのはドイツの白ワインじゃないの?

 

 

 

 

 

たいちゃんとの夏合宿4日め。追いかけっこがとっても楽しいよ! たいちゃんは1歳だから、走っても全然つかれないらしいの。ボクがつかれてハウスしていても誘いにくるのよねー。これは「たいちゃん、ボク6歳だからひとやすみちゅう!」っていってるところ。でもさ、おもしろいからまたすぐ遊びたくなっちゃうの。たいちゃんってゆかいな子よ!

 

 

 

 

たいちゃんが明日帰っちゃうから「思い出にみんなで写真を撮ろう」ってことになったんだけど、見てよ、みごとなバラバラさ。ボクだけがかごに入ってちゃんとしている。「たいちゃん、ちゃんとして!」っていっても「そんなことより、プロレスごっこをやろうよー」って。まぁ、思い出はにんげんがたいせつにするもので、猫は今のほうがだいじ。

そしてたいちゃんは帰っていった。保護者のまこさんがおむかえにきて、かごに入れられて。「おうちでつまんなくてふてくされています」まこさんからメールがきたけれど、ボクもさびしくてふてくされちゃう……。こんどはいつくるの? また追いかけっこしようね。プロレスもしようね。ボクのこと覚えていてね。たいちゃん、それまでげんきでね。

 

「猫は、うれしかったことしか覚えていない」出版記念
ミロコマチコの挿し絵原画展開催
【日程】2017年7月16日 ~ 2017年8月2日 まで
【場所】原宿 絵本が読める小さな喫茶店シーモアグラス

 

関連書籍

石黒由紀子『猫は、うれしかったことしか覚えていない』

梅干しの種を飲み込んで、開腹手術を受けた猫のコウハイ。苦しかっただろうに、獣医師によると、「また、誤飲しますよ」。猫には楽しい記憶だけが残るので、種を転がしておもしろかったな、とは覚えているけど、苦しかったことは忘れてしまうそう。うれしかったことだけ積み上げて生きていく。そんな猫たちの、可愛くて笑えて、沁みるはなし。

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石黒由紀子

エッセイスト。栃木県生まれ。日々の暮らしの中にある小さなしあわせを綴るほか、女性誌や愛犬誌、webに、犬猫グッズ、本のリコメンドを執筆。楽しみは、散歩、旅、おいしいお酒とごはん、音楽。著書に『GOOD DOG BOOK ~ゆるゆる犬暮らし』(文藝春秋)、『なにせ好きなものですから』(学研)、『さんぽ、しあわせ。』(マイナビ)など。『豆柴センパイと捨て猫コウハイ』、『犬猫姉弟センパイとコウハイ』(ともに小社刊)は、幅広い支持を受け、ロングテールで人気。

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