自撮り女子・りょかちの書籍『インカメ越しのネット世界』の出版を記念して、格闘家・青木真也との対談が実現しました。自撮りと格闘技という、まさに異種格闘技対談!? 聞き手に編集者・箕輪厚介を向かえ、2人の意外な共通点をあぶり出します!
箕輪 りょかちさんの本はいまどんな人が読んでくれているですか?
りょかち 元々フォローしてくれていた方とか、IT系の若い人、あとはネットマーケティングに使える本だっていってくれて、結構年配の企業のマーケ担当の人とかにも読んでもらえてるみたいです。
箕輪 なるほど、いま良く聞くインフルエンサーマーケティングとかの参考になるんでしょうね。でも巷のインフルエンサーマーケティングと、りょかちの肌感覚とのズレとかやっぱり感じます?
りょかち ズレをとても感じますね。実際私にもインフルエンスしてくれーって案件が結構くるんですが。とりえあえず誰にでもオファーして、単純にフォロワー数足してこれだけリーチしますよ?みたいなプランはあまり効果ないと思っています。実際有名なインフルエンサーの何人かが同じ商品とかアップしているの見た時点で、私の世代の女の子は逆に買いたくなくなる。
箕輪 本当にそうですよね。青木さんの本を出した時もツイッターで火がついたんですが、あれをお金をだしてやってたらあそこまでいかなかったと思う。あの時は地道に読者一人一人に会ってドブ板選挙みたいなことしたんです。それが結局、じわじわと広がって花開いたみたいな。
りょかち 結局インフルエンスする人の数を増やすだけじゃなくて、ちゃんとインフルエンスをデザインできないとだめですよね。いまのインフルエンサーマーケティングはいわゆる“マーケティング”ではないと感じます。
箕輪 その母数でこの人フォロワー何人いるから宣伝してもらうのって、完全に空振りますよね。ただフォロワーがそんなにいなくても、ほんとにこの人これが本当に好きだというのは、にじみ出るじゃないですか。本音みたいな。それって大事ですよね。
りょかち ほんとそうですね。数とかじゃなくて、フォロワー数とかじゃなくて、どれだけ響く人の側にいる人にアプローチするか、あるいはその人自身に響いている人にアプローチするか。それが大事だと思います。『インカメ越しのネット世界』も、ある一般の方が「重鎮が書いたマーケティング本よりも、深いマーケ本を読んでいる、なう。それは自撮ラー女子、りょかち本。」という内容でブログで紹介してくれたんです。そしたら私のフォロワーの人たちが共感してRTしてくれて、そして次第にフォローの多い人にも広がって、最後には田端さんもツイートしてくれて、気がついていたらAmazonのランキングが上位になっていました。
箕輪 インフルエンサーマーケティングに100万円とか200万円かけてもその効果は出なかったと思うし、青木さんの本の時もそうだったと思います。格闘技好きな都内の人、もしくはビジネスマンにターゲティングしてやっても、多分今の部数はいかなかった。ほんと下からだと思います。上から与えるんじゃなくて、下から火を点ける。
青木 そうですよね。ネットは小さいところから攻めていく。だからコツコツが強い。大勝ちはできないけど。小さく小さくやってくのが強いですよね。
りょかち 青木さんと箕輪さんでゲリラサイン会とかをしてましたよね?
箕輪 ゲリラサイン会はまさにそうでしたね。キャンプ場の火と同じで、ずっと点かない点かないと言いながら、ふぅふぅやってたらいきなり点いたみたいな。
りょかち そうなんですね。やっぱり始めは小さくコツコツが本当に大事。
箕輪 延々と吹き続けた感じがあって。で、いきなり点いたなって感じでした。やっぱりそういう時ってドミノ倒し的にいろんな反応が起きる。そして一人一人と次第に熱狂してもらえる方が生まれてくるんです。ある書店員の方が「私がその書店に入ったばっかりなのに、私が店長を説得して並べます」みたいに突然連絡くれたりとか。やっぱり伝播していくんですよね、熱が。
青木 またちょっとエッジの効いた本だから、エッジの効いた人たちが集まってくれたね。
箕輪 朝コメダ珈琲とかに集まって、青木さん読者とゲリラサイン会してましたよね。青木さんがすごいのはそれを毎日やっていたことです。僕は毎回は行けなかったけど、青木さんは毎日サボらずやってました。
青木 発売から三週間ぐらい毎日やりました。2、3人しか来なくても、雨の日でも、気合いでやった。
箕輪 そしたらそれを見ていた業界新聞の人が取材に来てくれて、それが記事になりました。本気でやってると、熱が自然とつながっていくもんですよね。
りょかち ゲリラサイン会は初めから拡散目的だったんですか? それとも純粋に買ってくれた人と会いたいから?
青木 初めての作品だったので、なんとかして売りたいと思った。とにかくやろう、やれることは全部やろうみたいな。
箕輪 はい。楽しかったですね。ずーっと一緒に本売ってました。そうやって本を売りたいというのが読者に伝わって、そうするとみんながキングコングの西野さんが言うように共犯者みたいな、応援団みたいになるんですよ、一回でも会うと。それがTwitter場の緩やかなコミュニティみたいになって。そして青木さんは結構嫌われてるから(笑)場合によってはアンチみたいなやつが来る。そこでケンカするとまた話題になるみたいな。そしていろいろな熱が、良い感じに祭りになって、祭りに参加するためのチケットとして本を買うみたいな。一つの現象になりました。
青木 あの時に協力してくれた人には未だに感謝しています。イケハヤさんとかはあ様(はあちゅうさん)とか。
りょかち 本当にそう思います。まだまだ私の熱は小さいかもしれないですが、それでもそれが少しずつつながっていくのを感じていて感謝しています。もっともっとこの本の熱を広げていきたいです。
(つづく)
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幻冬舎plusでの連載「インカメ越しのネット世界」はこちら
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自撮りIT女子 vs 格闘家「異種格闘技対談」
『インカメ越しのネット世界』を出版した自撮り女子 りょかちと、格闘家で『空気を読んではいけない』などの著作でもおなじみの格闘家 青木真也の異種格闘技対談が実現。聞き手に編集者 箕輪厚介を向かえて二人の意外な共通点をあぶり出す!