自撮り女子・りょかちの書籍『インカメ越しのネット世界』の出版を記念して、格闘家・青木真也との対談が実現しました。自撮りと格闘技という、まさに異種格闘技対談!? 聞き手に編集者・箕輪厚介を向かえ、2人の意外な共通点をあぶり出します!
箕輪 りょかちは、はあちゅうさんの次みたいな見られ方することもあるじゃないですか。はあちゅうみたいになりたいとか、そういう野望はない? たとえば、りょかちくらいある程度有名になると、会社員の仕事と、自撮り関係の仕事とか本を書く仕事と、どっちも充実してくると思うんですよね。はあちゅうさんみたいに独立するって選択肢もあるんじゃないですか?
りょかち 確かにそうかもしれないです。でも……。
箕輪 OLがあってのりょかち?
りょかち そうですね。いま会社員を続けながら、りょかちとしても仕事をしているのが、両方の仕事にいい影響が出ているので、当面は両方がんばりたいですね。あと私、さみしがりやなんですよ。なので一人で文章書く仕事だけにするのは、耐えられないじゃないかと思います。
青木 わかる、その孤独感に潰されそうになるでしょ?
りょかち そうなんです。なのでまだ会社員でもいたい。でも青木さんはいまフリーの格闘家さんなので、そういう意味では非常に孤独ですよね。それをどうやって乗り越えているんですか?
青木 とにかく遊ぶこと、そして練習。あとは何かの仕事の時、非日常で暴れる、この野郎てめえとかやる。その3つかな。あとはWebで毒を吐くとか。これも暴れるに近いけど。
りょかち 練習で孤独から解放されますか?
青木 練習はスカッとするんですよ。汗かくから。最高のコミュニケーションです。人って気持ち良いものの優先順位があると思うんですが、僕の場合は、格闘技の試合とか練習が一番上なんです。
りょかち なるほど、私もSNSで発信するのは、孤独感から逃れるためかもしれないです。SNSで発信して、理解者がソーシャル上で見つけられたり、「いいね!」がもらえたら気持ちいい気持ちもわかる。
箕輪 ちなみにTwitter一週間やるなっていったら辛いですか?
りょかち めちゃくちゃ辛いですね。
箕輪 Twitterはりょかちにとってなんなんですか?
りょかち 実験場ですね。こうやってみたらこうなったみたいなことを、ひたすら試すことが楽しい。好奇心を試す場所。
箕輪 なるほど好奇心か。ちなみに青木さんもみんなで飲みに行かない代わりに、夜な夜な家でネット見て遊んでる感じですよね、誰か俺の悪口言ってねえかみたいな。
りょかち パトロール(笑)。
青木 そう。探してますよ。お酒飲まないから夜時間があるのでSNS上で遊ぶんです。
箕輪 ある程度ネットが好きな人って、街に出て友だちと毎日同じような話をするよりネットでケンカしたり自分のことを良く言ってくれる人を見つけたりする方が楽しいんですよね。
青木 そう。ネットの人たちって基本的に外に出ずに、Wi-Fiのあるところでこうやっていろいろ反応を見て楽しんでたいじゃないですか。
りょかち 私も飲み会より全然SNSにいたいですね。飲み会に参加しても隙あらばSNS見ちゃう……。
青木 そう。SNSで出会いたいもんね。
箕輪 確かに情報量が違う。りょかちとか青木さんは飲みに行っても6人くらいの情報量だけど、SNSではそれこそ500人とか1000人くらいの罵詈雑言や賞賛があるから、刺激の量が全然違いますよね。
青木 そう、だからすごい面白いですよね。ちなみにりょかちさんは文章で人を好きになったりしますか?
りょかち しますね。
青木 やっぱりそうだよな。どういう文章が好きですか?
りょかち 男の人だと論理的というよりは、一個一個の言葉選びのセンスが良い人。
青木 LINEってすごく面白くて、合う合わないすぐわかるじゃないですか。いけるかいけないかすぐわかる。
箕輪 LINEの相手との相性の良し悪しってありますよね。
りょかち わかります。ツイッターのリプとかでもそうかも。相性わかりますよね。
箕輪 りょかちさんは、ツイッターの返しとかうまいですよね。いなし方とか返し方とか、その距離感がうまい。
りょかち 私、自称ソーシャルキャバ嬢なんですよ。
箕輪 (笑)リアルでもそうなんですか? 好き好き言ってくるのを、良い感じにこう距離を保ちつつ気持ちよくさせるみたいな。
りょかち いやー……むしろリアル世界での男性とのコミュニケーションにコンプレックスがあるからソーシャルキャバ嬢を極められたんじゃないかと(笑)だからほんとに、ずっとネットにいたい。
青木 なるほど。俺もネットにずっといたい。
箕輪 ネットにずっといたい二人って、いいですよね。
青木 練習でいうと一日2時間とか3時間だけですよ。それ以外は基本ネットにいたいです。それが一番気が抜ける。
箕輪 青木さんは大勝負して、それこそ大晦日で全国で放送されるようなでっかい勝負をして、終わったら控室にある崎陽軒の焼売弁当を家に2個持って帰って、嫁と子どもが寝てるのを背中越しに弁当食べながらずっとエゴサーチしてるんですよ。華やかな場所の数時間後に、ネットに帰るんですよ。
青木 常にネットに帰ります。あと最近思うんだけど仕事もそうだし男女関係でもすべてのこと、基本Webでやり取りするじゃないですか。会う時間って実は少しですよね。Webで仕事するし、Webで恋する。会ったりするのってオフ会みたいな感じですよね。
りょかち 私もLINEでのやり取りが好きだし、コミュニケーションとってて楽しいなあって思う人とのコミュニケーションって、ほぼオンライン上な気がする。
青木 ですよね。僕もそれがすごいある。LINEとかSNSでの付き合いがいい人がやっぱり好きです。現実で会うとそんなに長い時間いたくないとか。
りょかち めっちゃわかります。コミュニケーションの相性で言うと、日々のプライベートな生活を振り返ると「会話」ってLINEとかSNSが多いし、オンライン上の相性は外せない。私は口下手なので、LINEなんかだと、直接は言えないことも言えたりするし、自分のほんとうのキャラを出せたりする。それに割と常に脳みそがオンライン上にいるので、そっちの方が心の中の占有率が高いんですよね。
青木 そうなんですよね。すべてのこと、インスタとかもそうだけどSNSメインになりつつありますよね。最近それを思っています。
この前思ったのはスタバとかでもそうだけど、これ飲みたくてみんな飲んでるんじゃないだろうなって。SNSに載っけたくて飲んでるだろうし、いろんなスポットがそうですよね。これってリアルであってリアルじゃないよなって。
りょかち みんなリアルどうでもいいんじゃない説ってありますよね。
青木 はい。みんなどうでもいいだろって。本当に美味しいのとか。
りょかち 美味しくても美味しくなくてもよくて、美味しそうって思われたいんですよね。他人に。
青木 そうそう。どうこれに「いいね!」がつくかでしょ?
りょかち 「いいね!」つけられたいし、「いいね!」がつくような生活していることを周りにアピールしたいんだと思います。旅行でグアムに行った時も、女の子二人組がキレイな海の前で水着で写真撮った後、まったく海に入らずにホテルに帰っていって。この人たち何しに来たんだろうって思った。
青木 そういうことですよね。
りょかち みんなそうだと思います。
(つづく)
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幻冬舎plusでの連載「インカメ越しのネット世界」はこちら
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