『猫は、うれしかったことしか覚えていない』(石黒由紀子・文 ミロコマチコ・絵)発売を記念して、石黒さんちのコウハイ(野良出身・オス・6歳)に、日々の「うれしかったこと」を教えてもらいました。
いま、ボクは出動するところ。テーブルの上でくつろいでいたんだけど、壁にね、小さな虫を発見したの! 敵は飛ぶこともできる! これは放っておけないですニャ。 そーっと近づき、虫が次に動くときに合わせて飛びかかる。ボクは真剣よ。猫とは狩りをする生きものなのだ。強いのだ。パンがのってたバスケットなんて軽々とまたいじゃうんだぜ!
目つきが悪いですか? この写真を撮ってくれたのはゆっちゃんのおともだちKさん。「ほんかくてきなかめら」というやつで、カシャカシャ。このおともだち、ボクにおもちゃやおやつを持って遊びにきてくれたのよ。そして「ちょっと撮らせてね」って。だからボクは一生懸命ポーズをとっているの。強い猫になった気分で心の中で「ガオー!」って叫びながら。
これもゆっちゃんのお友だちKさんが撮ってくれたやつ。ここで見てほしいのは、センねえたんではなくて、ボクのお口の下というか「あご」ね。実は、猫ニキビというのができてたの。かゆくて掻いて、ひどいことになってたんだけど、こんなに治ってきました。かゆくないってうれしいね! 猫ニキビって男の子にできるんだって。ボクって男らしいってことかな。
はーい、注目~! 今、ボクは眠くてお鼻がピンクになっているけど、見てほしいのは前脚よ! ここんとこ「暑いから~」なんて言われて身体のあちこちの毛をカットされているボク。で、前脚の毛もきられました。ゆっちゃんは「ころんとして、雪見大福みたいでかわいい」って、まぁ、かわいいならいいけどさ。ところで雪見大福ってなにかな。知ってる?
質問でーす「ここはど~こだ?」え? トイレ? 即答だね。そうなのよ、うちのトイレなんだけど、ここにいるとおなかがすーすー気持ちいいのよ。クールマットなんて、めじゃないね。夏はずっとここにいたい。こういうの「ひしょち」って言うらしいね。ボクのひしょちはトイレです。たまにゆっちゃんが入ってきて、ボクを見てぎょっとするのもゆかい。