先日、厚労省が発表した2016年国民健康・栄養調査で、糖尿病が強く疑われる「有病者」が、初めて1000万人の大台に達しました。
「一般の人たちだけでなく、医療関係者の間でもまだ知られていない、糖尿病の予防・治療のためにとても大切なことがある」と訴えるのは、愛媛県で糖尿病専門のクリニックを開設している西田亙(わたる)先生。
西田先生が訴える、糖尿病をはじめとする多くの病気の発症に関わる驚きの事実とは?
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私は内科医であり、専門は糖尿病です。今から8年前、私の地元・愛媛県の歯科医師会の先生方と出会ったことで、私の人生は大きく変わりました。
当時、私は朝1回しか歯磨きをしない歯周病男であり、リンゴをかじると血が出ていた始末。親知らずを抜いたときを除いて、歯科医院には小学校以来ほとんど通っていませんでした。
この頃の私は体重92kg超の巨漢。糖尿病専門医であるにもかかわらず、糖尿病予備軍、加えて高血圧症や重症の不整脈もあり、循環器内科の同級生からは真顔に心配され、不整脈の手術を勧められていたほどです。
そんな折、当時の勤務先である愛媛大学と愛媛県歯科医師会が共同研究を始めることになり、それをきっかけに歯周病治療を受けることを決意。すると、私に一体何が起きたでしょうか?
まず歯石を取るなど歯科医の治療を受け、日々の生活では歯みがきのやり方をあらため、夕食後の歯みがきを習慣化。それにより歯ぐきの状態が良くなり、「リンゴをかじると血が出る」状態が解消されました。
夕食後の歯みがきが習慣になると、それまで食べ放題だった夜食を自然にとらなくなりました。せっかくキレイにしたお口を汚したくはないですからね。
そして、不思議と体を動かしたくなり、1年半足らずで18㎏もの減量に成功。それだけでなく、巨漢時代にまとわりついていた病魔の数々も、すべて姿を消していたのです!
なぜこのような奇跡が起こったのでしょうか?
それは、感染症の一種である歯周病を治療することで、体のなかで起きていた「慢性微小炎症が消滅した」から。そしてこの「慢性微小炎症」こそ、健康長寿の決め手として、世界中の研究者が注目している病気だったのです。
自身の経験を通して歯ぐきケアのすばらしさを体感してからというもの、私は、以前は全く興味がなかった歯科の勉強を始めました。すると、糖尿病のほか、肺炎や高血圧、脳梗塞、心筋梗塞など、あらゆる病気が、お口のなかの状態と深くつながっていることが分かりました。
これは、医学的にも確かな根拠があることであり、私がやっている糖尿病専門のクリニックでも、歯周病ケアを治療に取り入れることで、めざましい成果が上がっています。
糖尿病と歯周病は、コインの裏表と言っていいほど密接に関係しています。両者をつなげるのが、“炎症”というキーワードです。
しかし、この大切なことが、一般の人に知られていないだけでなく、歯科医の先生方にも、私の同業の内科医にも、まだ伝わっていません。なんと、もったいなく、もどかしく、残念なことでしょう!
かくして私は、「歯ぐきをケアすれば病気にならない」というメッセージを、歯科や内科のドクター、そして一般の方々に伝えていくことを私の使命とし、クリニックでの診療の合間を縫って、全国各地をセミナーや講演で行脚する日々を送っているのです。
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