“キャラ立ち”が成立するのは日本特有
ロサンゼルスに住んでいると、毎日移民のことを考える。考えざるを得ないので考える。
トランプ政権が強硬な移民政策を打ち出して以来、たびたびサンクチュアリ・シティ*の一つとして名前があがるように、ロサンゼルスは移民の多い地域だ。ロサンゼルス郡の全人口に移民が占める率は80年代以降急速に増加し、2010 年時点で35%に到達。そのうち、77%が80年代以降、そして22%が2000年以降の移民である。出身国はメキシコが41%と圧倒的だが、エル・サルバドル(7%)、フィリピン(7%)、グアテマラ(5%)、韓国(5%)がそれに続く**。
仕事柄ということもある。心理カウンセリングでもソーシャルワークでも、クライエントさんの心理やニーズを探る上で、移民というのはチェック必須の項目だからだ。——というようなことを言うまでもなく、周囲の人たちを見渡してみれば、友人、知人、仲の良いご近所、事務所の同僚や上司、毎朝コーヒーを飲みに行くベーカーリーのオーナー夫婦とかかかりつけの医者とか、あの人もこの人も移民してきた人だし、そもそも自分も移民なのだから、これは考え抜くことを課されたテーマというほかはないのかもしれない。
日本で暮らしていたとき、自分が移民になると思ったことは微塵もなかった。
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