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青空と鬱とパームツリー

2017.10.20 公開 ポスト

日本人が本気で生き抜く力をつけたいならば自ら移民になるしかない西原珉

“キャラ立ち”が成立するのは日本特有

写真:iStock/SeanPavonePhoto

 ロサンゼルスに住んでいると、毎日移民のことを考える。考えざるを得ないので考える。

 トランプ政権が強硬な移民政策を打ち出して以来、たびたびサンクチュアリ・シティ*の一つとして名前があがるように、ロサンゼルスは移民の多い地域だ。ロサンゼルス郡の全人口に移民が占める率は80年代以降急速に増加し、2010 年時点で35%に到達。そのうち、77%が80年代以降、そして22%が2000年以降の移民である。出身国はメキシコが41%と圧倒的だが、エル・サルバドル(7%)、フィリピン(7%)、グアテマラ(5%)、韓国(5%)がそれに続く**。

 仕事柄ということもある。心理カウンセリングでもソーシャルワークでも、クライエントさんの心理やニーズを探る上で、移民というのはチェック必須の項目だからだ。——というようなことを言うまでもなく、周囲の人たちを見渡してみれば、友人、知人、仲の良いご近所、事務所の同僚や上司、毎朝コーヒーを飲みに行くベーカーリーのオーナー夫婦とかかかりつけの医者とか、あの人もこの人も移民してきた人だし、そもそも自分も移民なのだから、これは考え抜くことを課されたテーマというほかはないのかもしれない。

 日本で暮らしていたとき、自分が移民になると思ったことは微塵もなかった。

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西原珉

東京藝術大学美術学部卒業後、1990年代の黎明期のアートシーンin 東京でキュレーター・評論家、アートマネージメント、ライターとして活動。2000年にロサンゼルスに移住。子育てに専念かと思いきや、結局子育てが終わるのを待ちきれず、ふたりの男子がティーンエージャーのいちばん大変なときにロサンゼルスにて臨床心理カウンセリングの大学院を修了。現在はダウンタウンにある社会福祉事務所にて、ソーシャルワーカー兼メンタルヘルスセラピストとして働いています。

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