自宅にこもる日々が続いてる方も多いと思います。過去記事から自宅でできるなまった身体に刺激を与える方法をご紹介します。不安は尽きませんが、少しでも身体と心を整える助けになりますように。
* * *
自律神経の名医・小林弘幸教授の新刊『死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい』から、心身に与えるスクワットの効果をお教えします。また、本書には、「朝晩5回から」の簡単で何歳からでもできる「ゆるスクワット」の6週間プログラムも掲載。
その1 スクワットで体脂肪が燃える
患者さんから、「あと何キロくらいやせたら、健康にいいですか?」と聞かれることがあります。読者の中にも、お腹まわりの脂肪や、ゆるんだボディラインが気になってきたという方は多いでしょう。
一般的には、肥満度の指標として「BMI(体格指数)」が用いられます。身長を2乗したもので体重を割り、肥満度を測るというものです。しかし大切なのは、計算式で得た指標より、むしろ、あなた自身の「体感」であると思います。だから私は、理想の体重について尋ねられたら、こう答えるようにしています。
「いちばん元気だったころの体重が、あなたの理想的な体重です」
あなたの体のことは、あなたがいちばんよくわかっているはずです。学生時代がベストな体重だと思ったら、それを目指して脂肪を落としましょう。
その際に意識すべきが「基礎代謝」です。
私たちの体には、食事で摂り入れた栄養素を、活動するためのエネルギーに変換して消費するシステム、すなわち「代謝」が備わっています。代謝には、次の3種類があります。
(1) 基礎代謝(約60〜70%)…呼吸や体温調節、心臓、胃腸などの生命維持のために使われるエネルギー
(2) 生活活動代謝(約20%)…日常の運動で使われるエネルギー
(3) 食事誘導性熱代謝(約10%)…消化・吸収で使われるエネルギー
代謝を主に担っているのは、基礎代謝です。私たちの体は、寝ている間も血液が巡り、体温を保ち、心臓、胃腸など全身の器官が活動しているため、常にエネルギーを消費しています。代謝がよい人は、消費する働きも活発なので、食べても太りにくく、余分なものをためこみにくい状態にあります。
反対に、代謝が悪い人は太りやすいうえ、栄養を摂取しても、それが効率的に生かされなくなります。そのため、たとえ栄養バランスの整った食事をしたり、高額なサプリメントを摂取したりしていても、栄養として全身にうまくデリバリーされません。
一日の基礎代謝量は20代を境に、10年ごとに100キロカロリーずつ減っていきます。50歳、60歳と年齢を重ねても、若いころと同じように食べ、そのうえ、じっとしている時間が増えたとあれば、太るのは当然でしょう。
それでは、基礎代謝量を上げるためにはどうすればいいのでしょうか。その答えは、下半身の筋肉を鍛えること。すなわち、スクワットをすることです。
基礎代謝量と筋肉量は正比例の関係にあるので、筋肉が増えれば増えるほど自然と基礎代謝量も増えていきます。スクワットを続けることで、食べても太りにくく、余分なものをためこみにくい「やせ体質」になれるのです。