教師のわいせつ事件は日々起きている。しかも、学校には隠蔽体質があり、なかなか発覚しない。今日取り上げるのは、管理職が隠蔽したケース。
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教室にデジタルカメラを設置し、中学生の着替えを動画で盗撮したとして、埼玉県警は同県入間市立中学校の45歳の男性教諭を児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で逮捕した(後に不起訴処分)。
問題は管理職の対応だ。本来なら警察に通報すべきなのに、あろうことか校長室で行われたのは隠蔽工作だった。
埼玉県警は10月23日、当時の校長(59)と教頭(54)がこの教諭に動画を消去させ、警察に届け出なかったとして、犯人隠避と証拠隠滅の疑いで書類送検した。
「教諭に辞められると学校が持たなくなると思った」という校長は、保身と自分の都合のために、さらなる犯罪を許すことになった。
教諭は校長からデジタルカメラを没収されても懲りず、その後も別のカメラで盗撮を続けたとみられるという。
校長は停職6カ月の懲戒処分となり、依願退職した。
こういうケースは決して珍しくない。学校は校長の運営次第で大きく変わる。
教育委員会は管理職に「隠蔽したら、かえってえらいことになりますよ。すぐに報告しなさい」という研修を徹底してやるべきだ。
特に「59歳」という年齢にも注目したい。定年間際の校長は要注意だ。
定年後の身の振り方も考え、「無事に退職したい」という思いが、「なかったことにしよう」という悪魔のささやきになる。
校長先生、ちゃんとしてください!
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