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死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい

2017.11.01 公開 ポスト

自律神経の名医が教えるスクワットの効果 その3

スクワットで腰痛をケア小林弘幸

自律神経の名医・小林弘幸教授の新刊『死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい』から、心身に与えるスクワットの効果をお教えします。また、本書には、「朝晩5回から」の簡単で何歳からでもできる「ゆるスクワット」の6週間プログラムも掲載。


その3 スクワットで腰痛をケア

 スクワットで鍛えられる筋肉のひとつに、大腰筋があります。ここを鍛えることで、腰痛や、ぎっくり腰を防ぐ効果が期待できます。

 大腰筋は、骨盤まわりを逆V字形に覆っており、腹部と下半身をつないでいる重要な筋肉です。長時間デスクワークをしていたり、電車や車で座ったりして、大腰筋が収縮した状態が長期的に続くと、大腰筋は徐々に縮こまり、硬くなっていきます。そのため、縮んだ大腰筋に引っ張られるような形で骨盤が前傾し、猫背や出っ尻になります。すると今度は、体はバランスをとるために、体を反らす働きがある背中側の筋肉に負荷をかけます。その結果、背中側に負荷がかかり続けて、腰痛やぎっくり腰を引き起こしてしまうのです。

 よく、「姿勢が悪いと腰が痛くなる」と言いますが、姿勢を正すだけでは根本的な解決にはなりません。なぜなら、大腰筋が縮んだ状態で固まっていると、姿勢を正そうとしても大腰筋がしっかり伸びず、背中側の筋肉に負荷をかけてしまうだけだからです。

 そこで大切なのが、大腰筋をしっかり動かし、本来あるべき伸縮性を取り戻すことです。

 大腰筋は、股関節を大きく曲げ伸ばしするときに使われるので、大股歩きをすれば動かすことはできます。ところが、日本人の多くは、ひざを持ちあげて歩く「ひざ歩き」をしているため、ほとんど使えていません。そして、たとえ大股歩きを心掛けたとしても、大腰筋が衰えている人は骨盤が前傾しているため、どうしても猫背になってしまいます。そのため、縮こまった範囲内でしか大腰筋を使うことができず、しっかり伸ばすことができません。

 その点、しゃがむ動作を繰り返すスクワットなら、大腰筋を効率的に鍛えることが可能です。特に本書で紹介している「背筋伸ばしスクワット」は、背中を壁につけて行うので、大腰筋をしっかり伸ばした状態で鍛えることができます。猫背が気になる人は、骨盤が前傾しないように、両手を骨盤に添えて実践するのもよいでしょう。

 

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小林弘幸

1960年埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのパフォーマンス向上指導にかかわる。『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』『「これ」だけ意識すればきれいになる。自律神経美人をつくる126の習慣』『自律神経を整える「あきらめる」健康法』など、著書多数。

写真 ©Ichiro Kumada

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