成績を上げたくて、自分より成績のいい友達に教えてもらっているのに、差が開く一方……。
というのを経験した人はいませんか?これには、れっきとした理由があります。
それとまったく同じ理由で、後輩と飲みに行っていると、先輩のほうがどんどん伸びます。
同じ先輩とばかりのみに行っている後輩は、伸びなくなります。
いったい、その理由はーー?
さっそく、『身の丈にあった勉強法』を読んでみましょう!
「教えてもらう方」より、「教える方」が成績が伸びる。
講演会で興味深い質問がありました。
たしか中学2年生の女の子の質問だったと思います。
『私は親友よりも成績が悪いです。
なんとか追いつきたくて私より成績が良い親友に勉強を教えてもらっているのですが、差が縮まるどころか開いています。悔しいです! どうすればいいでしょうか?』
まさかの結果です。
少しでも縮まればと、勉強を教えてもらったら、逆に点数の差が開いてしまったのです。
これにはちゃんとした理由があると思います。
例えば、こんなことありませんか?
クラブ活動をしている方はわかるかもですが、上級生になった途端、上手くなりません?
「あれ? こんなに上手かった?」と自分でも驚くほど、上手くなる瞬間がありませんか?
もちろん本人の努力や、上級生になることにより気持ちに余裕が出来たことも、上手くなる要因かもしれません。
僕はそれよりも大きな要因があると思います。
それは『今まで学んだことを下級生に教えることが出来る』からではないでしょうか?
下級生が出来ると上級生は色々教えますよね?
下級生に教えることにより、「自分のどこが得意でどこが苦手か?」を把握することが出来ます。
把握することにより、これまでやっていたことが上手になるのではないでしょうか?
もう一つ。
例えば、バスケ部だったとします。
下級生に教えていて『この先輩教えるのが下手やな。教えるうんぬんの前に、バスケ下手やな』と思われたい上級生はいないでしょう。
だから下級生の手前、教えるのも上手くなるし、バスケそのものも上手くなるのだと思います。
だから勉強も同じように『教えてもらっている人よりも、教えている人の方の成績が伸びる』傾向があるのではないでしょうか?
冒頭の質問者の友達はもちろん『自分の成績が伸びるから、この子に勉強を教えよう!』とは思わなかったはずです。
ただ教えた結果として『自分の成績が伸びてしまった』のだと思います。
「クラブ活動は続けた方がいいですか?」と質問されることもあります。
「人に教えると頭が整理される」のと同じ理由から、クラブ活動は続けた方がいいと思います。
ちなみに僕はバスケ部でしたが、下級生に教えるほどのバスケ能力がないので3年間下手なままでした。
自分ではそんなにサボってやっているわけではないのに、下手でした。
「なぜそんなに下手だったのか?」を解明できる機会が大人になってからありました。
以前、サッカー選手のトレーナーにお話を聞く仕事がありました。
その方は選手の全身の筋肉のバランスを測り、そのデータに基づいて選手に練習方法を指導していました。
試しに僕の全身の筋肉のバランスを測ってもらいました。
めちゃくちゃでした。
下半身と上半身のバランスがめちゃくちゃでした。
下半身は右足の方が左足よりも筋力があるのに、上半身は左手の方が、右手よりも筋力が上でした。
測ってくれたトレーナーの方に質問しました。
「僕が一番向いてないスポーツはなんですか?」と。
過去の僕を知らないトレーナーの方が教えてくれました。
「バスケです」と。
どうやら僕は一番苦手なスポーツを3年間やっていたみたいです。
もう一つ、僕は測ってくれたトレーナーの方に質問しました。
「僕が一番向いているスポーツはなんですか?」と。
未来の僕に一筋の光が差すことをトレーナーの方は言ってくれました。
「ゲートボールです」と。
僕は早くおじいちゃんになりたいです。
早くおじいちゃんになってゲートボールがしたいのです。
話をもとに戻します。
『あれ? 教えている方が、教えられる方よりも成績が伸びるって話、何かに似ているなぁ?』と思われた方。
そうです。
エアー授業と同じ原理です。
友達がいない宇治原が編み出した必殺技です。
もう一度説明すると、自分が先生になったつもりで一人だけで授業をするという、寂しいですが成績が格段にアップする営みです。
エアー授業も良いですが、友達が沢山いる方は友達に勉強を教えると感謝もされますし、自分の成績も上がることでしょう。
一石二鳥ですね。
では冒頭の質問の答えです。
『親友に勉強を教えてもらってから、自分よりも成績の悪い親友に勉強を教える』です。
自分よりも成績が悪い親友がいない方。
エアー授業をお勧めします。
社会人の皆さんも「教えている方が、教えられる方よりも成績が伸びる」という経験ないですか?
僕は芸人以外の社会人の経験はないですが、我々芸人の世界では同じようなことがあったりします。
もしかしたら一般的な社会人の方よりも、先輩が後輩を連れて飲みに行く機会が多いかもしれません。
先輩が絶対に奢【おご】るし、基本的に先輩が中心になって自分の仕事の話をしたり後輩の仕事の話を聞いたりします。
後輩からすると、
『奢ってもらえるし、良い話聞けてラッキー! 一石二鳥や! 明日から上手くいくぞ!』
と思うのは当然です。
ただ僕の経験上ですが、『伸びていくのは先輩』です。
自分の仕事の話をすることにより、自分の頭の中で現状を整理出来るからです。
また後輩の仕事の話を聞くことにより、過去の経験を整理することが出来ます。
先輩と後輩との差が縮まるどころか開く一方になるのは、先ほどの中学生と同じかもしれません。
昔は借金してでも後輩に奢るべきだという慣習がありました。
もしかしたら、凄く理にかなっているやり方かもしれません。
だから「先輩とばかり飲みに行く後輩は伸びない」という傾向も出てくるのだと思います。
もう一つ。
「同じ先輩とばかり飲みに行く後輩は伸びない」
ともいえると思います。
我々の仕事は特にそうかもしれませんが、社会人の方にはわかってもらえると思うことがあります。
それは「答えにたどり着く方法は、人それぞれ」です。
先輩は自分が通ってきた道しか教えることが出来ません。
同じ先輩とばかり飲みに行くと「その道だけ」が正しいと感じてしまいます。
でもその道は、その先輩しか通れない道かもしれません。
自分にとって「どの道を通るのがいいのか?」を判断するには、色々な先輩の話を聞くことが大事なのではと思います。
社会人で仕事のやり方に悩まれている方は、色んな先輩の話を聞くこと。そして先輩に愚痴を聞いてもらったり仕事の悩みを相談したりした後は、後輩の話を聞いて自分の時はこうだったと説明すると、一見遠回りに見えて実は近道な、仕事の悩みを解決する糸口が見つかるかもしれません。
そういえば僕は『TPPって何?』などの質問を宇治原にしたりします。
説明することにより、僕よりも宇治原の方がより賢くなっているのかもしれません。
だから差が開くのだと、書いていて気が付きました。
身の丈にあった勉強法の記事をもっと読む
身の丈にあった勉強法
「正しい勉強方」を知らないと、人生で損をする!
ロザン菅が、高性能勉強ロボ・宇治原を観察し続けて確信した”究極の学習術”を、一冊の本にまとめました。
そのタイトルは『身の丈にあった勉強法』。
これまでの常識が覆る& 明日からでもすぐチャレンジしたくなる勉強法って、いったい――!?
- バックナンバー
-
- 苦手科目を克服できる「絶対」かつ「圧倒的...
- 歴史の教科書から「人物名」が消える!?用...
- 自分が継続して勉強出来る時間を把握してる...
- 『身の丈にあった勉強法』読書感想文コンテ...
- 【本文無料公開】「教えてもらう方」より、...
- 学生時代、誰もそんなこと教えてくれなかっ...
- 勉強が楽しいほうが、人生で得します!
- 「勉強法について勉強したい人」にオススメ...
- 勉強の本?むしろこれは社会人が読むべき!
- できないことよりできることが多い人生の方...
- 「会社が楽しくない人は、今の仕事内容が難...
- 自分の将来をどうするかを含む就職活動ノウ...
- 背伸びをやめたら、世界が変わった!
- 今までの菅さんの本の中で、イチバン!
- 中学生男子の、図解に注目!
- いまさら手遅れ? いえいえ、今から変われ...
- 「勉強法の本だから、学生向き?」と思った...
- 誰もが経験する「わかってたつもりだったけ...
- これなら私にもできる!
- 読むときは「爆笑注意!」
- もっと見る