新型コロナの影響で、春休みが長くなってしまった皆さん。
新学期に向けて、勉強のこと、不安がありませんか?
そこで、ベストセラ―、お笑い芸人ロザンの菅広文さん著の『身の丈にあった勉強法』より、すぐ役に立つところを無料公開します!
将来どんな仕事をしたいか。子供のうちは、それがコロコロ変わります。
どんな仕事にも就けるように、苦手科目はできるだけ減らしておくほうがいいでしょう。
ところが、「普通に勉強している人ほど、成績がなかなかあがりにくい」ようです。
そんなときこそ「過去に戻る」です。
菅さんが家庭教師をしていた中学3年生は、小学6年の全く出来ていない単元を克服してから、数学の点数が飛躍的に伸びたそうです!
生きるヒントがいっぱいの『身の丈にあった勉強法』を読んでみよう!
苦手科目は「いつから苦手か」を思い出す。
大学生の頃。すでに芸人のお仕事をいただいていたのですが、芸人の収入だけでは食べていけないので、家庭教師のバイトをしていました。
中学3年の男の子に数学を教えていましたが、僕の教え方が悪いのか、あまり成績が上がりませんでした。
半年経ってもあまり成績が伸びませんでした。
ただただ仲良くなるだけでした。
家庭教師をしていた経験から言えること。
それは「成績が極端に悪い子と極端に良い子は伸びるが、普通の子はなかなか伸びない傾向にある」。
成績が極端に悪い子は、家庭教師をつけるまで全く勉強をしていなかった可能性が高いので、教えるとすぐに伸びます。
偏差値30アップの要因はここにあります。
特に不思議なことはありません。
学校の勉強をしなかっただけです。
誰が教えてもすぐに成績は伸びます。
また成績が極端に良い子は勉強することが好きなので、教えれば教えるほど伸びます。
問題は、『普通に勉強しているが、成績が伸びない子』です。
そういう子は、どこが弱点なのか把握しにくい傾向があると思います。
この中学3年生の男の子は、いわゆる「普通の子」でした。
だからなかなか成績が伸びません。
僕は思ったのです。
『やばい! このままでは家庭教師のバイトをクビになってしまう!』と。
その子の成績ではなく、自分の生計が心配になりました。
僕は思い切った方法に出ました。
それは『過去に戻る』です。
もしかしたらこの子は、僕が家庭教師をする前から理解出来ていない単元があるのでは? と思ったからです。
中学3年の数学の勉強は一旦ストップしました。
そして僕は、家庭教師をしていた男の子に、押入れから中学2年の数学の問題集を出してもらい、解いてもらいました。
普通に出来ました。
僕は思いました。
『なるほど。2年はある程度理解出来ているな』
次に中学1年の数学の問題集を出してもらい、同じように、解いてもらいました。
普通に出来ました。
僕は思いました。
『なるほど。1年もある程度理解出来ているな』
そして「1年と2年の数学の問題を解くことにより、3年の問題の解き方が変わってくるのでは?」と思いました。
中学3年の問題集をやってもらいました。
前と点数が変わりませんでした。
僕は思いました。
『やばい! このままでは本当に家庭教師のバイトをクビになってしまう』と。
またもやその子の成績ではなく、自分の生計が心配になりました。
というのも、中学3年の問題集を解かせておくと、少しずつですが成績が上がっていたからです。
僕の教え方が間違っていたのかもしれません。
でもせっかくここまで過去に戻る作業をしたので、小学6年の算数の問題を解かせてみることにしました。
全く出来ていない単元を発見しました!
やりました!
僕やりました!
洗濯機の後ろから、なくなったと思っていた靴下が片方出てきた時と同じ気分でした。
『こんなとこにあったんかい!』です。
小学6年の全く出来ていない単元を克服すると中学3年の数学の点数が飛躍的に伸びました。
またまた僕は思いました。
『これで家庭教師をクビにならないで済む!』と。
その子の成績ではなく、自分の生計の心配をしました。
だから『苦手科目がある場合は、今習っている問題集を解くのではなく、過去に戻る。しかも、思っているよりもかなり過去に!』をお勧めします。
小学校の高学年や中学1年、2年の単元で全く理解出来ていない箇所があるかもしれません。
数学や理科などは単元ごとに分かれているので、苦手な単元があっても、次に習う単元は得意だったりしますよね?
ただ忘れた頃に苦手な単元がまた出てきたりします。
しかも難しくなって。
だから皆さんにお勧めするのが「教科書やテストを捨てない」ことです。
学年が上がると「よし! もうこれは必要ない!」と教科書を捨ててしまっていませんか?
僕もそうだったので、気持ちはわかるのですが、「点数が悪かった答案」であればあるほど捨ててしまいませんか?
「点数が悪かった答案を見ると、自分の弱点がわかる」とプラスに考えて、残しておく方が良いみたいです。
「まあいっか! 後々解ければいいやん!」と楽観的にとらえましょう。
例えば、自転車乗るための練習をしたことありますか?
何回もこけて、やっと乗れた時は嬉しいですよね?
「え? 昨日までなんやった?」と思うくらい、急に乗れたりしません?
しかも一度乗れたら、乗れなかったことが不思議ですよね?
勉強にもそれがあったりするみたいです。
そのために一番大切なことは何か?
「自転車を捨てないこと」です。
つまり「教科書や問題集を捨てないこと」が大切だと思います。
話は変わりますが、苦手科目について講演会ではこんな質問がありました。
中学2年生の真面目そうな男の子の質問です。
「数学が苦手です。どうしたら克服出来ますか?」
僕は先ほどの家庭教師の経験をもとにアドバイスするため、まずはその子の数学の点数を聞くことにしました。
その子の数学の点数を把握することが大切だと思ったからです。
点数によってはかなり過去まで戻らないといけないし、苦手な単元が一つではないかもしれません。
ただ思春期の中学生にとって自分の苦手科目の点数をみんなの前で言うのは恥ずかしい行為です。
僕は心を鬼にして、男の子に質問しました。
「数学は何点くらいなん?」
男の子は恥ずかしそうに下を向いたままでした。
僕は思いました。
『ごめんよ。自分の苦手科目の点数を言うのは恥ずかしいよね』
そう思って質問を変えようと思っていた矢先に、意を決した男の子が答えてくれました。
「85点です」
?????
講演会を行っていた講堂中に、
「?????」
が広がりました。
少しの沈黙の後。
コソコソと聞こえてきます。
『めっちゃ高いやん。なんなん? 俺の得意科目より上やん! 自慢?』
僕も中学生なら同じことを思っていたでしょう。
でも僕はもうおじさんです。
講演会を依頼されたおじさんです。
僕はコソコソ声をかき消すつもりで、男の子に質問しました。
「他の科目は何点くらいかな?」
男の子はもちろんですが、悪びれることなく答えてくれました。
「100点です」
プチ宇治原がいました。
宇治原だけが『君の気持ちわかるよ。85点は低いよね』と言わんばかりの顔で男の子を見ていました。
ちなみに宇治原の中学生時代。
全てのテストが100点だったみたいです。
なんとか宇治原に100点をとらせないでおこうと全教科の先生が《宇治原に100点をとらせない問題を作ろう》と躍起になったそうです。
なんて周りにとって迷惑な生徒なのでしょうか?
このように『自分では苦手だと思っているけど、周りに比べたら全然大丈夫やん!』ということもあります。
中学生の段階で、将来の夢が決まっている子もいますよね?
そうすると『苦手科目はやらなくていいやん? だって、私将来の夢はパン屋さんに決まっているし、そんな勉強しなくてもいいもん!』と思う中学生もいるでしょう。
中学生を経験したおじさんから言わせてもらいます。
『中学生の時の夢は、結構変わるよ』です。
ふとしたきっかけで夢は変わります。
中学生の時にパン屋さんになりたいと思っていたけど、高校生になりお医者さんのドラマなどを観たとします。
『パン屋さんよりも医者ってカッコイイやん!』と思うかもしれませんよね?
ただ中学生で『私はパン屋さんになるから、理系科目はやらなくていいもん』と理系科目を捨ててしまうと、高校で医者になりたくなった時に高校の理系科目を一から勉強するのは至難の業【わざ】です。
めちゃくちゃ『過去に戻る』をしなければなりません。
もう一つ『将来の夢がこれやから、あれは勉強しなくてもいい』と勝手に決めていませんか?
偉そうに書いてしまいましたが、僕も中学時代は同じようなことを思いました。
ただ、大人になり、ロケに行くなどしてわかったことがあります。
それは『パン屋さんって結構理系やで』です。
『どの割合で酵母を入れて、どれくらいの時間生地を寝かして、どれくらいの力で生地をこねて、どれくらいの時間焼くか?』などをめちゃくちゃ計算して作っておられます。
余談ですし当たり前のことと思うかもですが、パン屋さんはめちゃくちゃパンが好きです。
皆さんが想像するよりもパンが好きです。だから毎日朝早くからパンが作れます。
社会人の方はわかると思いますが、「その職業がいかに好きか?」が、仕事をしていく上で一番大切なことだと思います。
学生、もしくは働いている社会人でも「自分が好きなやりたい仕事が見つからない」方はいるのではないでしょうか?
そういう場合は周りに目を向けることをしてはどうでしょうか?
というのも「夢は人から与えられる」と僕は思うからです。
有り難いことに今、このお仕事をさせてもらっていますが、高校時代に宇治原と知り合わなければ、まずやってなかったでしょう。
宇治原が僕の言うことで笑っていなければ、この仕事をやっていなかったでしょう。
自分の良いところは自分ではなかなか気が付きませんよね?
なぜか?
良いところは普通に出来ていることが多いので、自分では実感しにくいのではないでしょうか?
だから自分の夢を見つけたいのなら、まず「友達本人が気が付いていない良いところを見つけてあげる」ことが近道だと思います。
そうすることにより、「自分では気が付かなかった自分の良いところ」を友達が見つけてくれると思います。
話をもとに戻します。
中学生のうちは出来るだけ苦手科目を作らずに、まんべんなく勉強することをお勧めしました。
では高校生はどうでしょうか。
苦手科目の勉強で『過去に戻る』もしたけど、まだ苦手だという高校生。
どれだけやっても苦手なことはしょうがないです。
大学受験は『得意科目の勝負』です。
残念ですが苦手な教科は捨てましょう。
また大学受験になると学校の教科で「この科目いるかな?」と思うことがありますよね?
副教科です。
副教科の勉強はちゃんとしていますか?
その授業中に他の勉強をしたり、マンガ読んだりしてしまいませんか?
ちなみに宇治原は、副教科もちゃんと勉強していました。
ええかっこしいの宇治原らしい理由からです。
その理由は『副教科もちゃんと勉強する俺ってカッコイイから』。
中学・高校生の男子にとっては『カッコイイか? カッコ悪いか?』が重要なファクターですよね?
白状すると、僕は副教科の時間はマンガを読んでしまっていました。
でも今から考えるとマンガが読みたかったわけではないように思えます。
たぶん『授業中にマンガを読む俺ってワルでカッコイイやろ?』と思ってしまっていた可能性が高いです。
では副教科ではない普通の教科では、マンガを読んでいたのか?
読んでないです。
なぜなら授業についていけなくなるから。
これって、今から考えるとめちゃくちゃカッコ悪いですよね?
僕がそうだったので偉そうなことは言えませんが、これを読んでくれた学生が共感して、副教科もちゃんと勉強してくれると幸いです。
ちなみに社会人の方はわかると思いますが、大人になると副教科(料理出来る。絵が上手い。ピアノが弾ける)が得意科目だとカッコイイです。
また中高生にとって『クラブを頑張った結果。泥で真っ黒になったユニフォーム』はカッコイイのではないでしょうか?
では『勉強頑張った結果。文字で真っ黒になったノート』はどうですか?
もしかしたら『うわー。ガリ勉! 宇治原みたい!』と思う生徒もいることでしょう。
なんならカッコ悪い部類に入るかもしれませんね。
でもこの2つは、果たして違うことでしょうか?
色々な考え方があるかもですが、頑張った結果と考えれば同じだと僕は思います。
真っ黒ノートの宇治原がカッコイイことを言っていました。
「苦手科目?
中学って義務教育やろ?
100点とらないとあかんし。
授業ちゃんと聞いていたら、100点とれるやん。
高校生?
苦手科目は捨てた方がいいか?
あー俺は苦手科目なかったからわからん」
とおっしゃっていました。
宇治原のことが苦手になることを望みます。
身の丈にあった勉強法
「正しい勉強方」を知らないと、人生で損をする!
ロザン菅が、高性能勉強ロボ・宇治原を観察し続けて確信した”究極の学習術”を、一冊の本にまとめました。
そのタイトルは『身の丈にあった勉強法』。
これまでの常識が覆る& 明日からでもすぐチャレンジしたくなる勉強法って、いったい――!?
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