休日の大切な時間を、1週間分の作りおきの料理に奪われていませんか?
『はかどるごはん支度』の著者で、料理の時短調理法や冷蔵庫の収納術などが、忙しく働くママたちから大反響の人気料理家・高木ゑみさんが、効率のよい台所しごと術を大公開。
あなたが家族のためにごはんを作る時間が、なんと今の半分に、そして今より美味しく作れるようになります! 12月発売の本書より、一部を抜粋してお届けいたします。
ふだんの料理を倍量作れば“わざわざ”作りおきしなくていい
忙しいときに、冷蔵庫や冷凍庫に作りおきがあると、とても助かります。とはいえ、休みの日に何時間も台所にこもって料理したくないというのも本音。
ですから、作りおきはふだんの料理の延長線上で作ってしまいましょう!
つまり、ふだん作る倍の量を作ってしまえばいいのです。
倍の量を作るということは、皮をむくのも切るのも倍にはなります。でも、やり始めてしまえば少しやるのも、たくさんやるのも同じことです。
もちろん飲食店などのように何十人分もの料理となれば話は違ってきますが、4人分も8人分も実はそんなに変わらない作業です。
ごはん作りが面倒なのは、始めるまでではありませんか?
「今日は何にしようかな?」と考えても、まったく頭に浮かばずズルズル時間を過ごしてしまったり、作ると決めても何となくおっくうで、テレビを前に「次のコマーシャルになったらやろう」というように先延ばししているかもしれません。
でも、実際に作り始めると、案外スムーズ。面倒くさいという気持ちもいつの間にか消えていたりするものです。
つまり大変なのは“やる気スイッチ”を入れるまで。スイッチが入ったら、できることは前倒しをしましょう。まさに第1章で紹介した「今やると、あとがラク」です。
そうすると、やる気が起きないときでも、「煮物があるから、あとは副菜と汁だけでいい」とか、「ハンバーグがあるから、サラダを作れば何とかなる」というように、スイッチを入れやすくなります。
コツは、やることのハードルを下げること。作りおきもひとつの方法といえます。
また、煮物やみそ汁など、料理によっては一度にたくさん作ったほうが美味しくなるというメリットもあります。
作りおきをしておくと、同じ味が続いて飽きてしまうという人もいますが、そんな場合は、しっかり味をつける前に取り分けてしまいましょう。離乳食も後期になると、途中までは大人の分と一緒に作り、味つけの段階で子ども用に取り分けることが多くなりますが、それと同じ発想です。
たとえば煮物を作る場合、最後まで完成させて食べるのもいいですが、下ごしらえをした物を冷凍しておいてもよいですし、だしで煮た状態にしておいて取り分ければ、次に食べるときには違う味に変えることもできます。
冷凍のメリットは保存期間が長くなることですが、短期間で食べてしまうなら冷蔵でもかまいません。短期間に何度も同じ物を食べると飽きてしまうなら、味を変えてしまう、つまりリメイクすればその問題も解決します。
私はよく塩肉じゃがを作るのですが、最初は塩味を薄めにしておき、食べるときに個々に追い塩をします。翌日はしょう油で普通の肉じゃがにしたり、トマトを入れて洋風にしたり、カレーにしてしまうこともあります。
塩肉じゃがはお肉がとっても美味しいので、我が家ではお肉があっという間になくなってしまいます。なので、翌日は新たに肉を炒めて追い肉をします。
また、じゃがいもをつぶしてポテトサラダにしたり、小さめに切ってみそ汁の具にしてしまうこともあります。肉じゃがをコロッケにリメイクする方もいますね。
家庭料理には、ルールなんてありませんから、食べたいように作ればよいのです!
“バラエティに富んだ料理”を作りおきすることに手をかけるより、ついでに作って手を抜いて、“バラエティに富んだアレンジ”に手をかけていきましょう。