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オオカミ少女に気をつけろ!

2018.03.26 公開 ポスト

第3回

“AIが暴走した”ってニュースは本当? その3泉美木蘭

 多種多様なフェイクニュース、誤訳した海外ニュースをSNSを通してネット上にばらまいているロシア政府系の通信社「SPUTNIK(スプートニク)」。日々生み出されるフェイクには枚挙にいとまがない。
 ところで、そもそも私がスプートニクに行き着くきっかけとなった「フェイスブック社が研究中のAI同士を会話させたら、人間には理解できない言語を開発して暴走しはじめたので、あわててシャットダウンし、処分した」というニュース。
 ついにディストピアな未来に追いついてしまったというSFっぷりが怖すぎて盛り上がったが、果たして真偽は!?

 ***

 このニュースは、「スプートニク」のほかにも、「GIZMODO」「Gigazine」「J-CASTニュース」「カラパイア」など多くのネットメディア、テクノロジー系のまとめサイトなどで紹介されていた。普通にSNSや検索サイトなどを利用していれば、無意識ながらも一度は記事にふれたことのありそうなサイトだ。

 どの記事も、「終わりの始まり…?」「人類を危機にさらすものなのか?」など、大いに人工知能の脅威を煽る見出しがつけられていたが――。

 実際に、フェイスブック社がどんな研究発表を行ったのかを調べてみた。

 

はい。フェイクでした。

 調べてみると、どうやら「AI暴走ニュース」の発生源は、2017年6月15日、フェイスブック人工知能研究所のブログに、研究チームが投稿した記事のようだった。

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オオカミ少女に気をつけろ!

嘘、デマ、フェイク、陰謀論、巧妙なステマに情報規制……。混乱と不自由さが増すネット界に、泉美木蘭がバンザイ突撃。右往左往しながら“ほんとうらしきもの”を探す真っ向ルポ。

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泉美木蘭

昭和52年三重県生まれ、作家、ライター。日々、愛しさと切なさと後ろめたさに苛まれている不道徳者。社交的と思わせて人見知り。日頃はシャッターをおろして新聞受けから世間を覗いている。趣味は合気道、ラテンDJ、三浦大知。

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