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江戸文化の華 料亭・八百善を追う

江戸の名料亭「八百善」とその主人、福田屋善四郎を描いた、直木賞作家・松井今朝子さんの『料理通異聞』。「料理を題材にした時代小説の最高傑作」とも評される本作の「舞台裏」を、著者みずから丹念につづったのが、『江戸文化の華 料亭・八百善を追う』です。今も残る古文書、史料の数々を読み解きながら、善四郎の生涯に肉薄していく過程はスリリングそのもの。歴史好きなら必読の本書より、一部をご紹介します。

関連書籍

松井今朝子『江戸文化の華 料亭・八百善を追う』

小説が生まれるまでには偶然と必然が複雑に絡み合っています。江戸の名料亭「八百善」を描いた小説『料理通異聞』は、茶道雑誌「なごみ」の連載企画がそのはじまりでした。二百数十年を経て、今も八百善に残る古文書、史料の数々を読み解きながら、一代で八百善の基礎を固めた四代目善四郎の人生に肉薄していく全12回を電子書籍化。作家みずから自作が生まれる背景をつぶさに公開した貴重な記録です。

松井今朝子『料理通異聞』

蔦屋重三郎の法要の膳を出すことになった福田屋善四郎。この日に賭けた善四郎の料理は 見事に座の賞賛を呼び、大田南畝、山東京伝ら時代の寵児と知己を得る。やがては料理の 道で天下が取れるとの南畝の言葉通り「八百善」の名は高まっていく。文政に入り善四郎 が著した『料理通』が大評判となる中、遂に店に将軍の御成を告げる使いがやってくる。

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