「ものの考え方を学ぶ」とは ほんとうは……
「ものの考え方を学ぶ」とは
ほんとうは
なにをどう考えるか
コントロールするすべを学ぶ
ということなのです。
それは意識して
こころを研ぎ澄まし
何に目を向けるかを選び
経験からどう意味を汲みとるかを選ぶ
という意味なのです。
こういう一見あたりまえのように(魚にとっての水のように)思われる真実が、実人生においては命にかかわる一大事にもなりうる、というウォレスの言葉は、読み返すごとに心に沁み込んでくる。
「学ぶ」ことで人は限りなく自由になれるという、「リベラル・アーツ」の本義にも納得させられる。
そしてまた、次のようなフレーズ……。
人がごった返し
暑苦しく、のろのろした
消費文明の地獄のただなかでも、
なお意味があるばかりか
星々を輝かせるのとおなじ力が、炎となって燃えあがり
聖なる光で満たすのは、
ほんとうは、あなた次第でしょう――
思いやりと愛、
表面を見透かせば
森羅万象はひとつです。
「思いやりのある生きかたについて 大切な機会に少し考えてみたこと」とつけた副題にも通ずる箇所だ。殺伐とした日々の繰り返しの中にあっても、「もうちょっとがんばってみるか」という気にさせられる。
例年にない暑い夏がやってきた。満員電車でもみくちゃにされ、フラフラに疲れ果てた折にでも、この一節を思い出せば、帰ってシャワーを浴びて、本でも読んでやろうという気にもなるのではないか。
こんな酷暑になることを予想していたわけではないが、半透明の水色の帯に、表紙の金魚が透けて見える装丁にした。この夏「こころの清涼剤」として、お手にとっていただければ幸いである。
いま気になること
各界の最前線でアンテナを張り、独自の視点で切り込んで新たな形で発信する仕事師たちに聞く「いま気になること」。胎動する“何か”が見つかる!
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