私には、姪ばかり4人いる。上から、姪1と姪2が妹の娘で、姪3と姪4が弟の娘だ。
私は、女の子ばかり4人もいるのが、とてもうれしく、前にも書いたが、この子達を見て『若草物語』(オルコット)みたいだなと思い、4人の成長をずっと見守り、友達のような関係でいたいと思っていた。
特に姪3と姪4は、私の実家が、両親の住む2階だとすると、弟家族は3階に住んでいるので、姪3と姪4には、実家に帰ればすぐに会える。
よく、2階の和室に2人分の布団を敷き、私を真ん中にして、3人で寝た。姪3と4が小さな頃、『秘密の花園』(バーネット)を、私の好きな部分を膨らめたり、印象の薄かったエピソードは省いたりして、姪たちに、寝る前に話して聞かせた。主人公のメアリーが、コマドリに導かれて花園の扉を見つけたときのワクワクした気持ちを、私が大げさに話したりすると、姪たちは、目を輝かせて聴いてくれた。
インドに住んでいたメアリーが両親を亡くし、見も知らないヨークシャーの伯父の館に引き取られ、夜、暗い館の中を探検すると、どこからか子供の泣き声が聴こえてきた話をすると、姪たちが、「きゃー」と悲鳴を上げ、両側から姪たちがしがみついてくるので、私は、いつも、布団と布団の間に落っこちていた。
夜が明けると、もう6時ころから、姪3に、「ミーちゃん、ミーちゃん、起きて。メアリーの話をして」と起こされた。起きられなくて、目をつむっていると、姪3に「ミーちゃん、メアリーの続き、しゃべって」と、人差し指と親指で、ギュッと目蓋(まぶた)を開かれた。
こんな風にして、姪の小さい頃、1週間くらいかけて、私は、『秘密の花園』(ミーちゃん風)を語った。
バーネットの『秘密の花園』は、小学校の頃から、私の一番好きな物語であったが、バーネットが生きていたら訊(き)いてみたいことがある。
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さすらいの自由が丘
激しい離婚劇を繰り広げた著者(現在、休戦中)がひとりで戻ってきた自由が丘。田舎者を魅了してやまない町・自由が丘。「衾(ふすま)駅」と内定していた駅名が直前で「自由ヶ丘」となったこの町は、おひとりさまにも優しいロハス空間なのか?自由が丘に“憑かれた”女の徒然日記――。