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どうぶつーズの漫画

2020.01.31 公開 ポスト

祝・連載200回!(前編)

僕たちが「自分のやりたいことファースト」で生きている理由――きくちゆうき・福留茜対談きくちゆうき(イラストレーター/アーティスト)

きくちゆうきさん(左)と福留茜さん

きくちゆうきさんの「どうぶつーズの漫画」が連載200回を迎えました。「自分サイズが見つかる」が幻冬舎plusのコンセプトですが、まさに自分サイズを大切にし、自分のペースで創作活動を続けているきくちさん。100回記念では、きくちさんの素顔に迫るインタビューを掲載。今回の200回記念では、お友達の画家・福留茜さんをゲストにお招きしました。絵を描いて食べていくことについて、作品にこめたメッセージについて、率直に語り合った前編です。

*  *  *

朝起きたら、即、絵を描きます

――きくちさん、連載200回、おめでとうございます! きくちさんに「きくちさんと同じように、自分のペースでやっていくことを大事にしているお友達と対談をしませんか」とお尋ねしたら、「だったら、福留茜さんです」と。まずはゲストの福留さんにうかがいますが、イラストレーターではなく、画家なんですね。

福留 そうなんです。注文を受けて絵を描くということができないので。

 

――画家になったのは、いつごろですか?

福留 絵を描き始めてからは10年くらい。食えるようになったのは7年ぐらい前ですね。今もギリギリの生活ですけど。

――もともと画家志望だった?

福留 いや、じゃないですね。普通に高校を卒業して就職したんですけど、夏休みがほしくて入社4カ月で辞めて、それ以来ずっと「何かやらかしたいという気持ちはあった。でも何をすればいいかわからなくて。それで短期のバイトをしたりニートしたりしてたら絵を見つけて、それからずっと描いてます。

――注文された絵を描かないということは、創作意欲が湧いたら描くというスタイルですか?

福留 いや、もう朝、起きたら即、机に向かって何かしら描いてますね。

――発表の場というか、フィールドはどういうところですか。

福留 基本、年3回ぐらいの個展です。あとはSNSでアップしたり。

――それで食べていけるんですね、というか、食べていける分だけ絵が売れるんですね。ごめんなさい、いきなりぶしつけなことを。

福留 絵そのものより、グッズや画集の売り上げが大きいですね。売り上げはぼちぼちですけど、生活水準が低くてもかまわないので生きていけるんです。

――福留茜さんって、前は別のお名前だったんですよね。

留福「ゆとりガール」という名前でやってました。

――いまの「茜」もそうですけど、名前だけ見ると女性だと勘違いしますよね。

福留 確かにそうですね。名前を変えたのは、ちょっと貫禄がほしかったから。60歳くらいになっても「ゆとりガールを名乗っていたら、ちょっとイタいでしょう。

きくち「ちょっと」じゃなくて、「とても」だよ。


通ってきたものが一緒で、意気投合

――おふたりのなれそめ(笑)について教えてください。

きくち 茜がもともとミクシィで僕のこと知ってくれていて、イベントをやりたいと僕に声をかけてくれたのが始まりですね。

福留 9年前、僕がまだ上京する前、絵描きとして駆け出しのころ、ミクシィに絵を投稿するコミュニティがあって、そこに絵を貼りまくっていて、その中にきくちさんがいた。それで5年くらい前、知り合いと企画展をしようという話になり、僕が個人的にむかつく奴を集めようと思って、きくちさんのことを思い出したんです。

――むかつく奴って?

福留 ちょっと戦いたくなるような人。ひとり1枚絵を出して、投票で1位を決めるみたいな企画だったので。それできくちって奴に声かけてみようと思ってメールしました。

きくち でも僕はそのメールに返事をしなかったんですよ。メールの文面がちょっとおかしかったので、変な人にからまれちゃったと思って。

福留 返事がないなと思っているとき、デザインフェスタの出展者のなかにきくちさんの名前を見つけた僕がいきなりブースに行ったものだから、きくちさんは「アッ」ってうろたえてた。

きくち「アッ、見つかっちゃった」と焦ったよ。でも会ってみたら悪い人じゃないってわかった。やっぱり直接会うって大事だね。

――おふたりの関係は濃密なんですか。

福留 僕たちですか? もうズブズブです(笑)。一緒に食事に行ったりするし、きくちさんから毎日電話がかかってきた時期もあります。年齢もきくちさんが僕の1歳上と近いから、ふつうにつきあいが始まりました。

――意気投合というか。

きくち あれはまさしく意気投合だね。学生時代に見てたテレビ番組とか、通ってきたものがけっこう一緒だった。『スター・ウォーズ』が好きだったりとか。

福留 そうですね。あとはおっぱいの話で盛り上がった。

きくち 男子の会話で意気投合です。

――意気投合というのはそういうときに使う言葉なんですね(笑)。

福留 初めてちゃんと使ったかもしれない、意気投合。

きくち そう。初めてちゃんと使った。あれが意気投合なんだ。

福留 聞いてはいたけど、これか。

――おふたりの作品のテイストは違いますよね。それぞれお互いの作品とか、創作活動などについては、どう思いますか。

きくち 茜はすごく真面目。決めたことはちゃんと全部こなして、やりたくないことはやらない。たぶん彼にはもう明確なゴールが見えていて、そこに向かって地に足をつけて、ずんずん進んでいくタイプだと思います。正解?

福留 まあ、そう……かな?(笑)

きくち それで自分の思っていることをメッセージとしてちゃんと表に出して、それに共感してくれるたくさんのファンに支えられている。

――福留さんの作品を通したメッセージは、たぶんきくちさんのそれより強烈さがありますよね。

きくち そうですね。直接的な言葉でズバンと言うでしょ。

福留 ああ、確かに。僕はいい意味で学がないので、わかりやすい単語しか使えないから、それで逆に誰にでも通じるのかもしれない。

きくち いい意味。自分で言っちゃった。

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どうぶつーズの漫画

人気急上昇中のギョロ目キャラクター「どうぶつーズ」。ねずみのトニー、うさぎのコニー、ぞうのポニーのユルくも楽しい日常を描いたショートコミック。読み始めたらクセになる! 

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きくちゆうき イラストレーター/アーティスト

1986年、東京都生まれ。かわいくてすこし奇妙な動物キャラクター「どうぶつーズ」の作者。グッズ制作、漫画、絵本、アニメなど様々な形で「どうぶつーズ」を発表。そのほかにも、顔をたくさん描く「FaceArt」や「キャット忍者コータロー」という独自のキャラクター、世界観を描いている。
「どうぶつーズ」商品はヴィレッジヴァンガードなどでも販売しています。

どうぶつーズHP■https://studio-kikuchi.com/
どうぶつーズONLINE SHOP■https://suzuri.jp/yuukikikuchi
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