「自律神経を整えることこそが、人生を最高に美しく幸せにする鍵」と語る小林弘幸さん。これまで多くのプロスポーツ選手、アーティスト、文化人へ、コンディショニングやパフォーマンスアップのための指導をされてきました。著書『「これ」だけ意識すればきれいになる。』では、そのメソッドが女性のための「心と体の美と健康法」として紹介されています。自律神経美人への道となる126の習慣から、一部をご紹介します。
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唯一、自分でコントロールできるライフラインが「呼吸」
最近、ヨガや太極拳などの人気も手伝って、心と体のデトックス効果を高める「呼吸」の重要性が、注目を集めています。呼吸で、僕が一番のポイントだと思うのは、「人間にとって呼吸は、唯一、自分でコントロールできるライフライン」だということです。
たとえば、腸や血管は自分で意識して、「ちゃんと動いてくださいね」と言っても動きません。「血管さん、もうちょっと開いてみてね」と言っても、もちろん、無理。けれども、呼吸は、自分で意識して速くもゆっくりも、浅くも深くもできる。そこが、自律神経を整えるためには、まずは一番大切なことなのです。
そして、自律神経をよりよく安定させるには、「ゆっくり、深い」呼吸が、理想的です。なぜなら、今のストレス社会においては、みんな、たいていの場合は、交感神経が優位になっていて、呼吸が浅く、速くなっているからです。しかも、自律神経を高いレベルで整えるために欠かせない副交感神経の働きは、男性では30歳、女性では40歳を境にして、ガクンと低下していってしまいます。
でも、「ゆっくり、深い」呼吸をすることで、ストレスや加齢で低下してしまった副交感神経の働きを上げることができる。すると、それまで収縮していた血管がゆるみ、質のいい血液が、体のすみずみまで、末梢の細胞まで流れるようになる。そして、心も体も生き生きとよみがえり、自分のパフォーマンスもよくすることができる。
ですから、ゆっくり深い呼吸を意識して、いかに副交感神経を上げるか。それが、呼吸法を実践する上で、まず初めに「意識」していただきたいことなのです。
1:2呼吸法で便秘を解消
下がりがちな副交感神経の働きを高める、究極の呼吸法。といっても、僕の提唱する呼吸法は、とても簡単です。ポイントは、ひとつだけ。
「1で吸って、2で吐く」、つまり「1:2ワンツー」の呼吸法。これだけです。
さらに具体的にいえば、3~4秒間ぐらい鼻で吸って、口をすぼめて6~8秒間で口からゆっくり吐く。特に、吐くほうはできるだけゆっくり長くを意識して吐いてください。なぜなら、ゆっくり長く息を吐くことで、頸けい部ぶにある圧受容体というのが反応して、副交感神経をたいへん効果的に高めてくれるからです。たとえばヨガでもストレッチでも、「息を吸うこと」ではなく「息を吐くこと」のほうを重要視しているのは、じつは、そういう目的があるからなのです。
ですから、仕事の合間でも、通勤の電車の中でも、いつでも都合のいいときに一日3分間、この「1:2」の呼吸法トレーニングをしてみてください。そうすることで、浅くなりがちだった呼吸がゆっくり深いものに変わり、自律神経のバランスも、見違えるようによくなってくるはずです。しかも、この呼吸法の効果は、それだけではありません。実験によると、この呼吸法トレーニングを一日3分間しただけで便秘が解消してしまったという驚くようなケースも、たくさん出ています。
また、僕は、呼吸法はシンプルであればあるほどいいと考えています。世の中には腹式呼吸、胸式呼吸、丹田呼吸……など、本当にさまざまな呼吸法がありますが、あまり難しいことをやると、意識がそちらにとらわれてしまう。それが心と体の緊張となって、交感神経が上がり、せっかくの呼吸法の効果が損なわれてしまいます。
ただし、鼻呼吸と口呼吸では、できれば鼻呼吸のほうがおすすめです。なぜなら、鼻呼吸は、粘膜や毛などにより、空気中のホコリや病原菌をシャットアウトしてくれるから。また、乾燥した空気に適度な湿度も与えてくれるからです。一方、口呼吸は、鼻のようなフィルター作用がありません。また、口でばかり吸うと、口の中が乾燥しやすくなり、唾だ液えきの分泌が悪くなるため、虫歯になりやすくなったり、消化が悪くなったりしてしまいます。
でも、口呼吸、鼻呼吸のことは、なんとなく意識していれば、大丈夫です。最初は、口でも鼻でもいいので、とにかく「1:2」、3~4秒間ぐらい吸って、6~8秒間でゆっくり長く吐く。それを一日3分間。それだけで大丈夫です。
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