エクササイズを頑張っているけど、効果がいまいち感じられない……そんな人は、せっかくのエクササイズが違う部位に効いている可能性あり。
『やっぱりおなか、やせるのどっち? 勘違いだらけのエクササイズ』(八田永子著)には、正しい身体の使い方、動かし方、効果が本当に出るエクササイズの方法が、ついついやりがちな方法と比較して説明されています。
あるべきところに筋肉がある、理想のプロポーションを目指して、今のやり方は正しいのか、本書を参考に一度見直してみてください。
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下半身を強くしたいなら、深いスクワット
スクワットは下半身に効く代表的な筋トレです。やり方によっては、脚をすっきり細くするのに効果があります。ところが、やり方を間違えると、かえって太くたくましい脚や大きなお尻をつくってしまいます。注意しなければなりません。
よく行われているのは、Aのように両足を肩幅程度に開き、ひざの角度が90度くらいになるところまで曲げていき、元に戻るという方法。深く体を沈め、そこから元の姿勢に戻ります。中学や高校時代、部活の筋トレとしてやらされたのは、こんなスクワットだったのではないでしょうか。
もう一つのやり方は、もっと浅いスクワットです。足を開いて立った姿勢から、わずかに体を沈ませるだけ。90度まで曲げる深いスクワットに慣れている人は、「こんなので効果がある?」と言いたくなるかもしれません。そのくらい浅く行います。
この2つの方法、効果に違いがあります。
下半身の筋肉を強化したい場合には、深く曲げるやり方のほうが、大きな効果を期待できます。上半身の重さを負荷に、太もも、ふくらはぎ、お尻から上半身までダイナミックに動かすトレーニングは、アメフトのようなパワーが重要なスポーツのアスリートには、かなり有効。筋力の弱ってしまった高齢者が、リハビリのために行う場合も、深いスクワットのほうがいいでしょう。
しかし、細く美しい脚を目指すなら、深いスクワットはNGです。太ももに大きな負荷がかかるため、脚が太くなってしまうからです。
脚やせには、浅くしておなかを使う
浅いスクワットなら、大きな負荷がかからないので、脚は太くなりません。ひざがつま先より前に出ないようにお尻を少し後ろに引くようにすると、太ももの前側の負担が軽くなり、お尻など体の裏側の筋肉をうまく使うことができます。すると、その引き締め効果によってヒップアップも期待できます。
さらに、体を持ち上げるときに、おなかを使うようにします。おなかを肋骨(ろっこつ)の中に引き上げるようにするのです。そうすることで、脚の筋肉に負担をかけずに体を引き上げることができます。
うまくできない場合は、肋骨の下側に左右の指先をかけ、手で引き上げるようにしながら体を上げます。実際にやってみると、脚の負担が軽くなるのが感じられます。繰り返しているうちに、おなかを引き上げる感覚がわかってくるはずです。
このスクワットができるようになると、大きな筋肉が使われるために代謝が上がり、無駄な脂肪がなくなっていきます。それによって、しっかり筋肉がありながら、すらりと細い脚へと変わっていきます。
足とひざの向きに注意
スクワットを行うときは、足の向きに注意する必要があります。
つま先の向きが内側(内股)だと、太ももの外側に力が入って、太ももの筋肉を大きくしてしまったり、足首が内側に倒れて足裏のアーチを潰つぶしたり、故障につながったりします。
足の向きは、つま先を少し外側に開く(外股)のがおすすめです。そして、大切なのは、つま先とひざが同じ方向を向いていること。これがずれていると、足首の関節やひざの関節に無理な力が働き、関節を痛めることになります。体を沈めるとき、ひざはつま先と同じ方向に出ていくようにしましょう。
このやり方で、うまくおなかを引き上げることができると、自然とヒップアップします。お尻の筋肉に力を入れるのではなく、むしろ力を抜いて、おなかの力で立ち上がるようにすればいいのです(空のペットボトルを吸うと凹へこむように、中からお尻がペコンと凹むようなイメージ)。決して、外からお尻をぎゅうっとしてはいけません。慣れるまでは、お尻の下に手を当てて上げるように導いてあげるのもいいでしょう。
呼吸は、上に引き上げるときに、吸います。肩が上がらないように気をつけて、ストローを吸うときのように吸うのがおすすめです。
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Answer:B
すらりとした太ももを目指すなら深いスクワットはNG。おなかとお尻を使って、浅くスクワットする
やっぱりおなか、やせるのどっち?勘違いだらけのエクササイズ
エクササイズを頑張っているけど、効果がいまいち感じられない……そんな人は、せっかくのエクササイズが違う部位に効いている可能性あり。
『やっぱりおなか、やせるのどっち? 勘違いだらけのエクササイズ』(八田永子著)には、正しい身体の使い方、動かし方、効果が本当に出るエクササイズの方法が、ついついやりがちな方法と比較して説明されています。
あるべきところに筋肉がある、理想のプロポーションを目指して、今のやり方は正しいのか、本書を参考に一度見直してみてください。