エクササイズを頑張っているけど、効果がいまいち感じられない……そんな人は、せっかくのエクササイズが違う部位に効いている可能性あり。
『やっぱりおなか、やせるのどっち? 勘違いだらけのエクササイズ』(八田永子著)には、正しい身体の使い方、動かし方、効果が本当に出るエクササイズの方法が、ついついやりがちな方法と比較して説明されています。
あるべきところに筋肉がある、理想のプロポーションを目指して、今のやり方は正しいのか、本書を参考に一度見直してみてください。
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見せる筋肉と、生きるための筋肉
おなかの筋肉というと、引き締まって6つに割れた筋肉、と答える人が多いかもしれません。一般に「シックスパック」と呼ばれていますが、専門的には腹直筋(ふくちょくきん)という名前がついています。筋トレを趣味にしている人にとっては、あこがれの筋肉です。この筋肉は、体幹のかなめとなるのでしょうか。
答えを先にいえば、それは違います。体幹をしっかりさせるために、より重要な働きをしている筋肉がほかに存在します。
それが総称「インナーコア」。体幹を構成する筋肉群の中でも体の奥のほうにあります。家の構造でいえば大黒柱でしょうか。
シックスパックが目立つのは、体の一番外側にあるアウターの筋肉だからです。皮下脂肪が少ない人なら、6つに割れた筋肉が見えるようになりますし、体の外から触ることもできます。派手で目立ちますが、これだけではたいした役割は果たしません。
インナーコアは体の外からは見えませんし、触ることもできません。しかし、体を立たせ、バランスを保ち、しなやかに動くために、最も重要な働きをしています。「赤ちゃんは筋トレをしない」といわれますが、生まれてから、基本的な筋力ができるまでに使われるのが、このインナーの筋肉。歩く、走る、つかむ、登る、下りる、手をつく。まさに、生きるための筋肉です。
インナーコアが家の大黒柱だとしたら、シックスパックはシャンデリアのようなもの。お飾りの要素が強い筋肉なのです。
しっかりした体幹が美しいプロポーションを生む
もちろん、たくましいシックスパックが必要な人もいます。たとえば、ボクサーにとって、シックスパックは体を守る防具の一つ。ラグビーやアメフトなどの選手も、体の外側にたくましい筋肉の鎧よろいをつける必要があります。
ただ、こういったアスリートだって、強いインナーコアがあり、その外側にアウターの筋肉が適度についているのが理想です。アウターの筋肉だけ鍛えてあっても、体は強さを発揮できないし、しなやかに動くこともできないからです。
一方、新体操やフィギュアスケートの選手、あるいはダンサーたちには、たくましいシックスパックはあまり必要ありません。インナーコアを鍛えることで、細くて、しなやかで、強靭(きょうじん)な体をつくり上げていきます。
必要に応じてシックスパックがついていても、硬いわけではありません。弾力があり滑らかに動きます。体の使い方が上手な体操の「ひねり王子」こと白井健三さんの腹筋は、やわらかく、しなやかです。私も、一見筋肉も力もないように見えますが、硬いシックスパックを持つ選手たちやボディビルダーと押し合っても、負けませんでした。本当に体を動かすため、力を発揮するためには、アウターよりインナーが大切だと実感しています。
あなたの望むプロポーションが、ラグビー選手の体ではなく、ダンサーやフィギュアスケーターの体だとしたら、何をすべきかは、明らかです。外から見えない体幹の筋肉を鍛えること。それによって、美しくて動ける体になっていくはずです。
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Answer:A
大黒柱となる筋肉は体の奥にあって目立たない
やっぱりおなか、やせるのどっち?勘違いだらけのエクササイズ
エクササイズを頑張っているけど、効果がいまいち感じられない……そんな人は、せっかくのエクササイズが違う部位に効いている可能性あり。
『やっぱりおなか、やせるのどっち? 勘違いだらけのエクササイズ』(八田永子著)には、正しい身体の使い方、動かし方、効果が本当に出るエクササイズの方法が、ついついやりがちな方法と比較して説明されています。
あるべきところに筋肉がある、理想のプロポーションを目指して、今のやり方は正しいのか、本書を参考に一度見直してみてください。