エクササイズを頑張っているけど、効果がいまいち感じられない……そんな人は、せっかくのエクササイズが違う部位に効いている可能性あり。
『やっぱりおなか、やせるのどっち? 勘違いだらけのエクササイズ』(八田永子著)には、正しい身体の使い方、動かし方、効果が本当に出るエクササイズの方法が、ついついやりがちな方法と比較して説明されています。
あるべきところに筋肉がある、理想のプロポーションを目指して、今のやり方は正しいのか、本書を参考に一度見直してみてください。
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筋トレは意識する、ストレッチは意識しすぎない
筋トレを行うときには、鍛える筋肉に意識を集中させると、効果が高まります。どの筋肉を使うのかわかっていない人には、ここだよと触って教えてあげることで、筋トレの効果を引き出すことができます。
しかし、ストレッチを行うときには、伸ばしたい部位を意識しすぎて緊張させてはいけません。洗濯物を干すときのように、縮んだものを伸ばして元に戻せばよいだけです。元の状態以上に伸ばそうと意識すると、その筋肉は伸ばされまいとします。体を守るために、脳がストップをかけてしまうからです。
効果的にストレッチを行うには、この脳によるストップを解除する必要があります。そのためには、どこを伸ばすのだと意識せず、だらだら行うのが効果的です。また、伸ばしたい部位から意識をそらすという方法もあります。
たとえば、首を回そうと思ったときは、「首を回す」という言葉に脳が反応して、首の筋肉にスイッチが入り、こわばってしまいます。首を守るための防御反応でもあるのですが、スイッチが入ることで、スムーズに回らなくなります。
こんなとき私は、「みなさん、あごで大きく円を描いてください」といいます。このときに行っている運動は、じつは首を回したときとまったく同じ。それなのに、あごで円を描いたときは、まったくひっかかりを感じることなく、スムーズに首が回ります。意識を首に集中させないことで、脳によるストップがかかるのを防いでいるのです。
こうしたテクニックを活用することも大切です。「がんばって」行うのではなく、緊張するところが一つでも少ない状態で行うようにしましょう。
言葉にまどわされないように
ストレッチなどで体を動かすときの言葉には要注意です。そのままやってしまうと、力んでしまってうまくストレッチできなかったり、好ましくない力が加わってけがをしたりすることがあります。
注意してほしいのは、「腰に力を入れる」「腰を回す」「背すじを伸ばす」「お尻を締める」「足は腰幅で平行に」など。素直にそのままやってはいけません。私なら、次のように言い換えます。
「腰に力を入れる」は「仙骨に力を入れる」にします。腰というと腰椎(ようつい)あたりをイメージしますが、それでは力は入りません。
「腰を回す」は「胸椎とインナーコア、または仙骨で回す」に、「背すじを伸ばす」は「肋骨の中を伸ばす」に、「お尻を締める」は「体の両端を伸ばす」に、「足は腰幅で平行に」は「股関節の運動軸で立つ」とします。
大切なのは、とにかく文字どおりやらないこと。各部位を動かすときに、力まないやり方があります。それを意識すると、けがや不具合を防げます。
「きっと変われる」とサクセスイメージを持つ
体をやわらかくするためには、脳の働きも最大限に利用します。「自分は体が硬い」と信じている人は、そう信じているだけで、筋肉がスムーズに伸びなくなります。「これ以上は無理」と思っている人は、それ以上筋肉を伸ばすことができません。自分はこのくらいしかできないはず、という思い込みによって、体にブレーキがかかってしまうからです。ということは、「自分は太っている」「やせることなんてできない」などと言うのも、やめておいたほうがよいでしょう。
言葉はブーメランのように自分に返ってきます。自分で自分をマインドコントロールしてしまうようなもので、「自分は体が硬い」「これ以上は無理」と言い続けていたら、その人の体も、筋肉も、細胞も、いじけます。これではやわらかい体、シェイプアップした体へと変わっていくはずがありません。
大切なのは、「きっと変われる」「もっとできる」というサクセスイメージを持つこと。サクセスイメージで脳が気持ちよくなると、体もほぐれてくるのです。体にも心にも希望を与え、それを信じることが、目指す体を手に入れるために最も重要です。
やっぱりおなか、やせるのどっち?勘違いだらけのエクササイズ
エクササイズを頑張っているけど、効果がいまいち感じられない……そんな人は、せっかくのエクササイズが違う部位に効いている可能性あり。
『やっぱりおなか、やせるのどっち? 勘違いだらけのエクササイズ』(八田永子著)には、正しい身体の使い方、動かし方、効果が本当に出るエクササイズの方法が、ついついやりがちな方法と比較して説明されています。
あるべきところに筋肉がある、理想のプロポーションを目指して、今のやり方は正しいのか、本書を参考に一度見直してみてください。