エクササイズを頑張っているけど、効果がいまいち感じられない……そんな人は、せっかくのエクササイズが違う部位に効いている可能性あり。
『やっぱりおなか、やせるのどっち? 勘違いだらけのエクササイズ』(八田永子著)には、正しい身体の使い方、動かし方、効果が本当に出るエクササイズの方法が、ついついやりがちな方法と比較して説明されています。
あるべきところに筋肉がある、理想のプロポーションを目指して、今のやり方は正しいのか、本書を参考に一度見直してみてください。
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どちらか一方にこだわらない
胸式呼吸は、肋骨を開いたり閉じたりすることで、肺に空気を出し入れする呼吸です。息を吸うときに肋骨を開いて肺に空気を入れ、息を吐くときに肋骨を閉じます。
腹式呼吸は、おなかを膨らましたり引っ込めたりすることで、横隔膜を上下させる呼吸です。息を吸うときにおなかを膨らませ、横隔膜を引き下げます。それによって肺が広がり、空気が入ってきます。息を吐くときには、おなかを引っ込めるようにして横隔膜を上げます。
胸式呼吸と腹式呼吸ですが、どちらか一方を選ぶ必要などありません。両方ともやればいいのです。ただし、浅い呼吸ではいけません。どちらの呼吸も、深く長く行うことで代謝が上がります。
また、体幹を強化する運動にもなります。胸式呼吸では背筋や肩甲骨まわりの筋肉を強化することができますし、腹式呼吸では腹筋を使うので、腹筋の強化に効果的です。どちらの呼吸も、深く大きく行うことで、体幹の強化に役立ちます。
やせるためなら、どちらかに決める必要はなく、よくばって両方行うほうが効果的なのは間違いありません。
「よくばり深呼吸×3回」で腹を凹ます
胸式呼吸と腹式呼吸をどちらも行う「よくばり深呼吸」は、太いおなかを細くするのに効果的です。やり方を紹介しましょう。
仰向けに寝て、右手を胸に、左手をおなかに当てます。こうすると、胸やおなかの上下する動きを自覚しやすいからです。どんな姿勢でもできる呼吸法ですが、やり方を覚えるまでは、この姿勢で行ってみましょう。
「吸う、吸う、止める、吐く、吐く」で1回です。2段階に分けて吸い、2段階に分けて吐きます。
まず、腹式呼吸でおなかを膨らませながら、鼻で、もしくはストローを吸うときのように口で、息を吸います。さらに吸いながら、おなかの空気を胸に移動させるように持ち上げ、そこで息を止めます。5秒間ほど止めてください。次に、胸の空気を口から吐き出します。さらに、おなかを背中にくっつけるようにしながら、残っている空気を吐き切ります。
息を吐くとき、最初は口をすぼめて、「ぷー(あるいは「ふー」)」と吐いていきます。そして最後におなかの空気を吐き出すときは、「はー」と声にならない声を出し、空気を出し切ります。このように、2段階で吸い、2段階で吐くようにすると、体の奥まで使って呼吸を行うことになります。コアを使った呼吸になるのです。ゆっくりと3回行ってください。それだけで、体が温かくなってくるのを感じられるはずです。
最初は、就寝前や起床時に行うことをおすすめします。慣れてきたら、胸とおなかに手を当てなくても、よくばり深呼吸を行えるようになります。そうなったら、いつでもどこでも行うことができます。電車の中でも、テレビを見ているときでも可能です。
もっと深く呼吸する
よくばり深呼吸より、もっと深く呼吸する方法もあります。両腕を伸ばしたまま前方に上げ、手首の力を抜いてだらりと垂らしてください。この姿勢で行うので、私は「おばけ深呼吸」と名付けています。呼吸法の上級編です。
この姿勢で、3段階に分けてゆっくりと息を吸います。吸って、さらに吸って、もう吸えないというところで、もう1回吸います。息を吸うと横隔膜が広がるので、もっと深く、奥で吸うイメージで行います。
ここで5秒間ほど息を止め、次に息を吐いていきます。上から覆いかぶさるようにして、やはり3段階で吐きます。おなかと背中をくっつけるようなイメージで、最後まで吐き切ってください。これを3回繰り返します。
大切なのは、いいかげんにやらず、きっちり行うことです。速すぎてはいけません。正しくできれば、3回行っただけで、汗が出るほど体が温かくなってきます。それだけ代謝が上がり、カロリーを消費しているということです。
2段階や3段階に分けて深く呼吸するトレーニングをしていくと、1段階でもきちんと息を吸い、息を吐けるようになります。つまり、ふだんからコアを使った深い呼吸をすることができるようになるのです。
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AnswerA&B
体幹の筋肉を使って呼吸して代謝を上げることが大切
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やっぱりおなか、やせるのどっち?勘違いだらけのエクササイズ
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あるべきところに筋肉がある、理想のプロポーションを目指して、今のやり方は正しいのか、本書を参考に一度見直してみてください。