エクササイズを頑張っているけど、効果がいまいち感じられない……そんな人は、せっかくのエクササイズが違う部位に効いている可能性あり。
『やっぱりおなか、やせるのどっち? 勘違いだらけのエクササイズ』(八田永子著)には、正しい身体の使い方、動かし方、効果が本当に出るエクササイズの方法が、ついついやりがちな方法と比較して説明されています。
あるべきところに筋肉がある、理想のプロポーションを目指して、今のやり方は正しいのか、本書を参考に一度見直してみてください。
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よい姿勢のカギは「カンペルライン」
スタイルをよくするには、よい姿勢で立つことが大切。よくいわれるのは、背中が丸まらないように胸を張り、あごを引くという姿勢です。ピシッとしていて、よい姿勢とされています。
耳の穴と鼻を結ぶ線を「カンペルライン」といいます。歯科医学の用語なのですが、姿勢を考える場合、このラインをどうするかが重要な意味を持っています。
あごを引いたときのカンペルラインは、耳側が高く、鼻側が低くなります。首の後ろに力が入り、首こりにつながります。下半身が連動して腰痛や出っ尻になることも。二重あごになりやすく、バストが下を向いてしまうという問題もあります。呼吸がしづらく、身体的にも精神的にもストレスがかかり、体によい姿勢とはいえません。
カンペルラインが水平になるようにするには、あごを引かず、少し上げます。胸を張る必要はありません。鏡を見ながら実際にやってみてください。カンペルラインが水平になると、首と胸の緊張が一気にとれて、背中が無理なくすっと伸びます。
バレエでは「胸で見る」と表現するのですが、胸で前を見ようとすると、自然とあごが少し上がり、カンペルラインが水平になります。バレエで美しいとされる基本的な姿勢が、まさにこれなのです。
「壁ドン、あごクイッ」で理想の立ち方に
自分が正しく立てているかどうか、壁に寄りかかって確認してください。壁にかかと、お尻、背中、後頭部をつけるようにして立ちます。身長測定をするときのように立つわけです。ただ、身長測定では「あごを引いて」と言われますが、引いてはいけません。あごはクイッと上げます。「壁ドン、あごクイッ」と覚えてください。
このとき、腕は体の横につけるのではなく、手のひらを太陽に当てるように正面に向け、少し前に出します。こうすると肩が壁から少し離れます。上半身の無駄な緊張がなくなるのを感じるはずです。この状態で肩甲骨を下げると、理想的な立ち方になります。
理想的な立ち方ができたとき、肋骨はちょうど骨盤の上に乗っています。真上から見ると、肋骨と骨盤が重なり合う位置関係になっているのです。そして、背骨の最も下を支えている仙骨の真上に後頭部が乗ります。こうしたバランスがとれていれば、余計な力を使わずに立つことができます。
ところが、肋骨と骨盤の位置関係や、後頭部と仙骨の位置関係がずれてしまっている人がいます。出っ尻、猫背、反り腰などがあると、バランスが崩れます。この状態で立つには、体のどこかが無理をしなければなりません。当然、スタイルには悪影響を及ぼすことになります。
「よい姿勢」は「下手な減量」より美人に見える
理想的な立ち方ができると、体重や体脂肪の量が変わらなくても、それだけでスタイルがよくなったように見えます。逆に減量に成功して体重や体脂肪が減ったとしても、頭が前に出ていたり、背中が丸くなっていたり、胸が落ちていたりすると、よいスタイルには見えません。下手な減量をするより、正しい姿勢を身につけるほうが、よっぽどいいスタイルに見えるのです。
そして、よい姿勢が身につくと、腹筋や背筋など体幹の筋肉を使うようになるため、自然とよいスタイルになっていきます。
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Answer:A
あごは引かずに、少し上げると緊張がとれて、美しい姿勢が生まれる
やっぱりおなか、やせるのどっち?勘違いだらけのエクササイズ
エクササイズを頑張っているけど、効果がいまいち感じられない……そんな人は、せっかくのエクササイズが違う部位に効いている可能性あり。
『やっぱりおなか、やせるのどっち? 勘違いだらけのエクササイズ』(八田永子著)には、正しい身体の使い方、動かし方、効果が本当に出るエクササイズの方法が、ついついやりがちな方法と比較して説明されています。
あるべきところに筋肉がある、理想のプロポーションを目指して、今のやり方は正しいのか、本書を参考に一度見直してみてください。