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(1)高価なものと思い込む
例えば、あなたはハンバーグステーキが大好物だとします。いつも食べているハンバーグステーキの価格は九八〇円ですが、今、まさに食べようとしているものが、もし一皿一万円もする高価なものだったとしたら、どうしますか?
いつもはあっという間に平らげていたとしても、一万円だと思えば、急いで食べるのはもったいないと考えるのではないでしょうか? きっと、「少しずつ口に入れ、時間をかけて味わう」食べ方に変わるでしょう。その裏には、「味わって食べなければ損をする」という心理が働くからです。
時間をかけて食べることを目標にしても、人はなかなか実行できないものです。ひとつは後述する舌の動きに起因しますが、心理的な面からいえば、目の前の好物を速く食べたいという欲求のほうが時間をかけて味わって食べようとする理性に勝ってしまうからです。
でも、その好物が高価なものとなると話は別です。「速く食べるのは損だ」という気持ちのほうが食欲より強くなるため、味わうために、自然とゆっくり食べるようになるのです。
このように、自分にちょっとした暗示をかけることで、これまであまり時間をかけずに食べていた人でも、ゆっくり時間をかけて料理を味わうようになります。それが食べ過ぎを防ぐことにつながり、やがてダイエット効果をもたらすようになります。
(2)一口を小さくしてから食べる
嚙めば嚙むほど健康にはいいとされています。嚙むことによって唾液がたくさん出るので食べものを消化して胃の負担を減らし、その刺激が脳に伝わり、記憶力をも増すといわれています。一般的に、一口当たり二〇回から三〇回嚙むのがいいとされていますが、実践できている人は少ないのではないでしょうか。
というのは、ある一定回数嚙むと、舌が無意識のうちに食べものを喉の奥のほうへ送り込んでしまうからです。それは数回嚙んだだけで飲み込んでしまう食べ方が習慣化されたためです。
そこで、口に入れる量自体を少なく、例えば四分の一ぐらいまで小さくしてみたらどうでしょうか? そうすれば、これまでと同じ回数嚙んでも、口の中に入れた量が少ないので、口に入れた食べものは四倍相当の回数、歯と歯の間に来ることになり、実際に嚙んだ回数は同じ数でも、四倍分だけ嚙んだことになります。
また、唾液も四倍の量が分泌された状況と等しくなります。口の中で食べものの一部が消化されるため、消化された味の変化も感じることができ、よりおいしく感じやすくなるのです。
唾液は口に入れた食べものの種類に対応して、その分泌量が決まります。食べものの量による分泌量の差はありません。おにぎりを一気にほおばり、うまく飲み込めなかった経験を持つ人もいると思います。そのように、口に入れる食べものの量が増えても、唾液の分泌総量に変化はありませんので、相対的に唾液が少なくなり流れていかないのです。
ここで今一度思考実験をしてみましょう。目の前に二センチ幅で厚さ一センチ長さ五センチの大きさで、調理し終わったばかりの特上のステーキが運ばれてきた場面を想定して下さい。一口で食べられますか?
おそらく数個に切り分けて口に運ぶでしょう。今まで述べたように、味わいやすくするために、小さくしていることもあるのですが、実は小さくすることには、もうひとつ、心理的な意味があるようです。
ほとんどの方は意識していませんが、食べものを口に入れて嚙んでいるうちに、口に入れた量のかなりの部分が喉の奥から胃袋へと落ちていくそうです。高い食材や貴重な食材を味わって食べようとするときには、この喉の奥から胃袋へ落ちていく分を減らそうとして、無意識のうちに小さくして食べているとも考えられます。
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