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すべての不調は呼吸が原因

2020.11.21 公開 ポスト

仕事や勉強のやる気が出ないときにおすすめの呼吸法本間生夫

1日に2万回も空気を出し入れしているのに、当たり前すぎて普段意識することが少ない「呼吸」。呼吸は老化や衰えのスピードといった体調に影響しているだけではなく、人間の感情にも影響しているとおっしゃるのは、書籍『すべての不調は呼吸が原因』の著者・本間生夫さん。普段見過ごしがちな呼吸に注目し呼吸の力を鍛えることで、体と心をより良い方向へコントロールしていく方法を解説している本書から、抜粋してご紹介します。

*   *   *

呼吸が心と体をコントロールしている

私は、呼吸は「体を整える窓口」であり、「心を整える窓口」でもあると考えています。呼吸が変われば体も変わるし、呼吸が変われば心も変わる。呼吸が体と心をコントロールしていると言ってもいいでしょう。

みなさんのなかには「そんなバカな」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

でも、考えてみてください。

呼吸はわたしたちの自律神経のシステムとリンクしています。自律神経は状況変化にスムーズに適応できるように心身のモードを切り替えているシステムで、その時その時の状況に合わせて心身のアクセルやブレーキを使い分けています。これをコントロールできるのが呼吸なのです。

(写真:iStock.com/RyanKing999)

呼吸が速いとき、自律神経は緊張し、交感神経優位にシフトして心身にアクセルを踏むように働きます。一方、呼吸がゆったりとしているときは、自律神経はリラックスし、副交感神経優位にシフトして心身にブレーキをかけるように働きます。このように、呼吸をシグナルとして、自律神経システムが動いていると言っていいのです。

みなさんご存じかもしれませんが、自律神経はわたしたちの血流、心拍数、血圧、体温、発汗、内臓の動きなど、さまざまな機能を調節しています。そして、自律神経のバランスが崩れると、こうした調節がきかなくなってさまざまな不調や病気に陥るようになります。言わば、アクセルやブレーキがうまくきかなくなって、体がコントロール不能のような状態に陥ってしまうわけです。

しかし、呼吸をちゃんと整えれば、こうした自律神経のバランスの崩れを防ぐことができるのです。たとえば、緊張や焦りで自律神経のバランスが乱れてしまいそうなときに、意図的にゆっくりした息の出し入れをして呼吸を整えれば、心身の落ち着きを取り戻すことができるはずです。それに、気がゆるんで仕事や勉強でやる気が出ないようなときに、意図的にスピーディーな呼吸をすれば、自律神経を高ぶらせて心身のアクセルを開くことも可能です。

このように、自律神経は呼吸によって意図的にコントロールすることができ、これを利用すれば、呼吸を整えることによって自律神経のバランスを整えていくことができる。すなわち、呼吸を窓口として、不調や病気に陥らないように体の調子を整えていくことができるというわけです。

(写真:iStock.com/Yolya)

また、呼吸はわたしたちの感情変化ともリンクしています。前の章でも述べたように、感情が高ぶれば呼吸も高ぶり、感情が落ち着けば呼吸も落ち着くといった具合に、呼吸と感情は一体として動いているのです。

これは、先ほど紹介した3つの呼吸のうちの「情動性呼吸」に相当します。この情動性呼吸は、喜怒哀楽や不安、焦り、恐怖などの心の動き(情動)に合わせて変化をする呼吸。そして、この情動性呼吸の場合、息の出し入れを安定させていくことによって心の動き(情動)を安定させていくことも可能なのです。

東日本大震災で罹災(りさい)した子どもたちの呼吸を安定させることが心や感情の安定につながったように、呼吸が整うと、心もおのずと整えられていくようになるわけです。だから、わたしたちは呼吸をよりよい方向へシフトしていけば、心もよりよい方向へとシフトしていくことができる。呼吸を窓口として心のコンディションを整えていくことができるのです。

このように、体も心も呼吸によって大きく変わるのですから、私は「呼吸が体と心をコントロールしている」と言ってもまったく差し支えないのではないかと考えているわけです。

 

きっと、人間のコンディションは、呼吸をよくすれば、すべてうまく整うようにできているのでしょう。呼吸のリズムが深くてゆったりとした「いい波」になっていると、体の波も心の波もゆったりとしたいいリズムで動いていくようになるものなのかもしれません。

ですから、わたしたちは体と心のコンディションをよりよい状態に整えていくためにも、呼吸をよりよい状態に整えていかなくてはなりません。ぜひ、トレーニングによって呼吸の力をつけ、体と心をいつも健やかな状態でいられるように整えていってください。

どんなトレーニングをすればいいのかについては、書籍『すべての不調は呼吸が原因』内でくわしくご説明します。さあ、みなさん、「いい呼吸」を身につけて呼吸の力を向上させていきましょう。そして、呼吸を窓口として、体と心をよりよい方向へコントロールしていきましょう。

関連書籍

本間生夫『すべての不調は呼吸が原因』

階段を上ると息切れする、ちょっとしたことですぐ咳込んでしまう、肺に十分な空気が入ってこない感じがする……。こうした呼吸の乱れを、年齢のせいと放置してはいけない。呼吸は1日約2万回。その質が悪いと、体を動かす力がなくなるばかりか、免疫力が低下して各臓器の働きが鈍化するなど、すべての不調の原因になるからだ。「浅くて速い」呼吸が不安やイライラを引き起こすなど、感情の動きにも影響していることも新たにわかった。本書では最新の医学的知見をもとに、「呼吸の力」を鍛えて心身の不調を撃退するメソッドを徹底解説。呼吸が変わるだけで体も変わる!

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すべての不調は呼吸が原因

1日に2万回も空気を出し入れしているのに、当たり前すぎて普段意識することが少ない「呼吸」。呼吸は老化や衰えのスピードといった体調に影響しているだけではなく、人間の感情にも影響しているとおっしゃるのは、書籍『すべての不調は呼吸が原因』の著者・本間生夫さん。普段見過ごしがちな呼吸に注目し呼吸の力を鍛えることで、体と心をより良い方向へコントロールしていく方法を解説している本書から、抜粋してご紹介します。

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