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サービスマンという病い

2024.06.12 公開 ポスト

ご馳走「された人」は簡単に忘れるが「した人」は絶対忘れない萩原清澄

どうすれば人の心を読み、つかむことができるのか。多くのビジネスパーソンが頭を悩ませている問いのヒントを教えてくれるのが、「日本一の人脈を持つサービスマン」として知られる萩原清澄さんの著書、『サービスマンという病い』。超一流レストランの統括支配人として、経営者から芸能人まで、名だたるVIPをもてなしてきた萩原さんにしか書けない本書から、とっておきの秘策をご紹介します。

「もらった人」が忘れても、「あげた人」は絶対忘れない

人の心をつかんで人脈をつくっていくうえで重要なのは、おつき合いを一つひとつ大切にし、「ご恩」を絶対に忘れないことです。

人は、自分が他人のために何かをしたとき、そのことを絶対に忘れません。しかし、他人に何かしてもらったときは、特にそれがごく小さなことだった場合、簡単に忘れてしまいがちです。

(写真:iStock.com/frema)

たとえば、みなさんが誰かからコーヒーをご馳走になったとしましょう。このとき、お金を出してくれた人は、「○○にコーヒーをご馳走した」ということをずっと覚えているものです。

もちろん見返りを期待しているわけではないと思いますが、他人のための自己犠牲というのは、ごく小さなことであっても強く記憶に残るものだからです。

 

ここで重要なのは、コーヒーをご馳走になったことを忘れないことです。できればメモを取っておいて、次にお会いしたときには、

「この間、スタバでコーヒーをご馳走になったので、今日は私にアイスクリームをおごらせてください」

などと「ご恩を忘れずに返す」姿勢を示すことです。

高価なものでなくてもいい

みなさんが逆の立場になったときのことを考えてみてください。

贈り物をしたのに、その後に相手から何も反応がなかったら、「感想くらい聞かせてくれたって……」などと不満を感じることはないでしょうか。

(写真:iStock.com/c11yg)

いつもコーヒーなどちょっとしたものを、「いいよ、ここは出しておくから」などとおごり続けているうちに、「たいした額ではないけれど、どうしていつも私ばかりがご馳走しているんだろう」と疑問を感じることも、あるかもしれません。

そして、このように「あげた人は絶対に忘れず、もらった人はあっさり忘れる」という現象は、あちこちで頻発しているのです。

 

そんな中、みなさんがご馳走になった1杯のコーヒーのことを忘れずに返礼を申し出たとしたら、それだけで相手の方は、

「なんて律義な人なんだろう」

と感心するに違いありません。つまり、ご恩を返すということは、それだけ自分に対する相手の信頼感を高めることにもなるのです。

 

なお、ご恩返しは、自分ができる範囲で構いません。大切なのは「ご恩を忘れていません」ということを自分なりのやり方で伝えることです。

お金がないからといって、躊躇することもありません。何もしないよりは、お酒1本、あるいは缶コーヒーと菓子パンの差し入れでもいいと思います。

 

私は、何千億円もの資産を持つ著名経営者に、故郷で採れた柿をお渡ししたことがあります。

「故郷のもので、4つしかないんですけれど、ぜひ食べてください」

そういってお渡ししました。

相手はいわゆる“大富豪”です。私がいくら頑張って高いワインなどをプレゼントしたところで、自分で簡単に買えるものですから、たいして嬉しいとは思わないでしょう。

それよりも、自分ができる範囲で、常にご恩を忘れずにお返しをしていくということそのものが、人脈づくりにおいては非常に重要なのです。

*   *   *

この続きは書籍『サービスマンという病い』でお楽しみください。

関連書籍

萩原清澄『サービスマンという病い』

日本一の人脈を持ち、「会いたい人」すべてに会ってきた支配人が、その秘策をあますところなく伝授。サービスマンという仕事に限らず、何らかの道でプロフェッショナルを目指すとき、必ず役に立つ内容が満載の一冊。

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サービスマンという病い

どうすれば人の心を読み、つかむことができるのか……。多くのビジネスパーソンが頭を悩ませている問いでしょう。そのヒントを教えてくれるのが、「日本一の人脈を持つサービスマン」として知られる萩原清澄さんの著書、『サービスマンという病い』。超一流レストランの統括支配人として、経営者から芸能人まで、名だたるVIPをもてなしてきた萩原さんにしか書けない本書から、とっておきの秘策をご紹介します。

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萩原清澄

1980年生まれ。2002年、法政大学卒業後、株式会社Wakiya入社。Wakiyaグループ各店勤務を経て、2008年、Wakiya迎賓茶樓の立ち上げに支配人として携わる。その後、Wakiya一笑美茶樓の支配人を務め、2012年よりグループ統括支配人を務める。

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