私は、小学校の頃から大好きな男の子がいた。目のキリッとした、運動神経抜群の子だった。
小学校3年生から卒業まで彼とは同じクラスだった。彼は優しい性格だったが、それは芯がものすごく強いから故に人に優しいのであって、私の優しさとは種類が違うということが、小学校高学年にはすでにわかっていた。
席が隣りになった時は、とても嬉しく、私はずっと彼と喋っていた。何を喋っていたかというと、私は彼と1番仲の良い男の子と大変仲が悪く、時々、泣かされたりして、なんて意地悪なヤツだろうと、日々、忌々しく思っていたのだ。だから、彼にアイツがどんなに意地悪なヤツであるか、あなたの親友にするようなヤツでは決してないのだということを、話して聞かせていたのだ。
授業中、彼に向かって喋り続ける私に、担任の先生は、「今村、お前はさっきからずっと何を喋っているんだ。黙れ」と怒ったが、私は、「先生、こっちも今、すごく重要な話しをしてるんだから、ちょっと黙ってて」と言い、私は、説得を続けた。
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さすらいの自由が丘
激しい離婚劇を繰り広げた著者(現在、休戦中)がひとりで戻ってきた自由が丘。田舎者を魅了してやまない町・自由が丘。「衾(ふすま)駅」と内定していた駅名が直前で「自由ヶ丘」となったこの町は、おひとりさまにも優しいロハス空間なのか?自由が丘に“憑かれた”女の徒然日記――。