「臆病者の時間が長すぎた」と振り返る武田真治さんが、自らの反省とともに届ける、『上には上がいる。中には自分しかいない。』が10月14日に発売されました。武田さん自身が、生まれ変わるために自分へと送ったリアルなメッセージと再ブレイクへとつながった人生哲学。その一部をお届けします。
成長の正しい順序なんてない。
本来、人が成功するまでに経験するべき苦労を、僕は20代前半に小さな成功を得た後にしました。言葉使いも、態度も、自分の有り様にも向き合うことなく芸能界を進んできて、体調を崩して思うように仕事ができなくなって、顔も名前も知ってもらった20代後半に、ようやく僕は下積みを経験したのです。
再度、たとえに出しますが、その頃僕の心の支えは、映画『スター・ウォーズ』でした。
『スター・ウォーズ』はエピソード1から順番に制作・公開されていません。
ジョージ・ルーカスは、膨大な構想のどの場面が多くの人の共感を得るかを客観的に判断して、4→5→6、1→2→3、7→8→9の順で、リリースしていきました。
人生も似たようなものかもしれません。成長の順序なんて、人それぞれ。
誰かにとって容たやす易いことでも、他の誰かにとっては難しかったりすることなんてたくさんあります。
だからなにか理解不能なことに出会い、もがき苦しむようなことがあっても、
「今は意味がわからないけれど、これは後のエピソードでは大事なことかもしれないぞ」とか、「納得いかないけれど、この悔しさは一般的にはもっと若いうちにみんな経験しているべきエピソードなのかも」などと考えると、下積みも辛くなくなりました。
いずれにせよ、すべてのエピソードが揃わないとコンプリートしないのが人生なら、無駄な経験なんてないってことです。
以前は、順序よく人生経験を積んできたようなスマートな人に憧れたりしましたが、大人になるとそのエピソードの順序がチグハグな人のほうがちょっぴり魅力的に感じられたりするから不思議です。
【お知らせ】
武田真治さんが、市村正親さんとダブルキャスト主演を務めるミュージカル『オリバー!』が上演中です。『メリー・ポピンズ』『レ・ミゼラブル』のプロデューサー、キャメロン・マッキントッシュによる話題作。詳細は、公式HPをご覧ください。
上には上がいる。中には自分しかいない。
2021年10月14日発売『上には上がいる。中には自分しかいない。』(武田真治さん著)についてお知らせします。