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アルパカ通信 幻冬舎部

2021.10.29 公開 ポスト

第1回 澤村伊智『怖ガラセ屋サン』/鈴木おさむ『僕の種がない』

【新連載】元カリスマ書店員のブックジャーナリストも震えた!『怖ガラセ屋サン』/営業推しの『僕の種がない』アルパカ内田(ブックジャーナリスト)/コグマ部長

幻冬舎営業部 コグマ部長からオススメ返し
鈴木おさむ『僕の種がない

ドキュメンタリーディレクターの真宮勝吾は、癌で余命半年の芸人に意を決して提案する。「ここからなんとか子供を作りませんか?」だが、その芸人は無精子症だった……。それでも諦めずに、奇跡を起こそうとする物語。

2年前の夏の終わりのこと。有楽町の書店で副店長だった内田剛さんから

「実は、会社を辞めようと思います」

と打ち明けられた。当時50歳。驚きはしたが、そんな人生の節目で新しい一歩を踏み出すことを決めた内田さんの表情はスッキリしていて、どこか羨ましくもあった。時を経て、「カリスマ書店員」(ご本人はこの呼び名を気にいってなかったかもしれないが)から、今や「ブックジャーナリスト」に肩書が変わった内田さんとこんな連載ができるとは!

さて、内田さんの渾身の1冊に対抗して、私のオススメはこれ!

鈴木おさむさんの『僕の種がない』だ。

人気放送作家の実体験にもとづく、テレビ界を舞台にした男性目線の「不妊治療」小説。これだけ聞くと読者はあるおきまりのイメージを描きがちですが、鈴木さんの小説には予定調和は一切なし。読み進めていくと、残酷なことや、辛い描写もありますが、読者の想像をすべて裏切っていくスリリングな展開。不妊にたいして自分が知っていると思っていたことなんか、ごく一面でしかなかったと思わせる圧倒的な情報量。読み始めたら最後まで、鈴木さんが作った世界を脇目もふらずに走ることになりました。

読後、温かい気持ちに包まれるはずです。

これは私がどうしても読んでもらいたい小説です。

当欄では、幻冬舎の販促責任者である私がオススメする小説を続々紹介させていただきます。お付き合いどうぞよろしくお願いいたします。

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アルパカ通信 幻冬舎部

元カリスマ書店員で、POP職人でもある、ブックジャーナリストのアルパカ内田さんが、幻冬舎の新刊の中から、「ぜひ売りたい!」作品をピックアップ。
書評とともに、自作の手描きPOPも公開。

幻冬舎営業部のコグマ部長からの「オススメ返し」もお楽しみください!

バックナンバー

アルパカ内田 ブックジャーナリスト

内田剛(うちだたけし)。ブックジャーナリスト。約30年の書店勤務を経て2020年2月よりフリーランスに。NPO法人本屋大賞実行委員理事で創立メンバーのひとり。文芸書をメインに各種媒体でのレビュー、学校や図書館でのPOP講習会などを行なっている。これまでに作成したPOPは6000枚以上で著書に『POP王の本!』『全国学校図書館POPコンテスト公式本 オススメ本POPの作り方(全2巻)』あり。無類のアルパカ好き。
Twitter @office_alpaka

コグマ部長

太田和美(おおたかずみ)。幻冬舎営業本部で販売促進を担当。本はミステリからノンフィクションまでノンジャンルで読みまくる。アルパカ内田(内田剛)さんとは同学年。巨人ファン。
Twitter @kogumabuchou

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