一日一冊読んでいるという”本読み”のアルパカ内田さんが、幻冬舎の刊行作品の中から「今売りたい本」を選び、そして“POP職人”としての腕を振るって、手描きPOPも作ります。
そして、アルパカ内田さんへの「オススメ返し」として、幻冬舎営業部の人気者・コグマ部長からも、一冊ご紹介。
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元カリスマ書店員でPOP職人のブックジャーナリストが売りたい本
第3回 横関大『ミス・パーフェクトが行く!』
こんにちは。好きな言葉は「パーフェクト」。アルパカ内田です。
愉快、爽快、痛快……文字通りパーフェクトな物語。よくぞここまで読みどころを凝縮させたものだ。みなぎる高揚感は半端なく、スピード感も凄まじい。上質なエンターテインメント作品を何冊も一気読みしたような充足感を味わえた。
主人公の真波莉子(29)は厚生労働省のキャリア官僚で、颯爽と仕事をこなすスーパー・ウーマン。しかも実は現職総理の娘(隠し子)であり、政権ブレーンとしても暗躍しているから驚きだ。前代未聞の設定なれど、どの場面からもリアリティのある映像が目に浮かび、抜群の説得力を感じさせる。
莉子のポリシーは「仕事とは、問題を解決すること」。政治家の炎上発言の火消し、ファミレスの売上回復、客室乗務員のセカンドキャリアの斡旋、赤字病院の救済。何でも出来る彼女には次々と無理難題が突きつけられるが、すべて現場に入りこんでズバッと解決させてしまう。それぞれ導き出された解答には公務員だった著者の実体験が垣間見られ、ビジネス的な観点からも大いに参考になる、実に学びに溢れた一冊だ。
莉子の相棒は運転手兼警備役の城島真司(42)。バツイチ子持ちの心優しき男である。何事にも超ドライな莉子が城島父娘と触れあいながら人間的に変化していく様にも要注目。守るべきはこの国であり企業であり家族であり愛する人である。不況を乗り切るヒントと、常識を打ち破る規格外のパワーがここにある!
アルパカ通信 幻冬舎部
元カリスマ書店員で、POP職人でもある、ブックジャーナリストのアルパカ内田さんが、幻冬舎の新刊の中から、「ぜひ売りたい!」作品をピックアップ。
書評とともに、自作の手描きPOPも公開。
幻冬舎営業部のコグマ部長からの「オススメ返し」もお楽しみください!
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