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アルパカ通信 幻冬舎部

2021.12.28 公開 ポスト

第3回 横関大『ミス・パーフェクトが行く!』/カツセマサヒコ『明け方の若者たち』

颯爽と現れたニューヒロインが活躍する!横関大さんの世直し小説『ミス・パーフェクトが行く!』&映画も楽しみな『明け方の若者たち』アルパカ内田(ブックジャーナリスト)/コグマ部長

幻冬舎営業部 コグマ部長からオススメ返し
カツセマサヒコ『明け方の若者たち

明大前の退屈な飲み会で出会った彼女に、一瞬で恋をした。世界が彼女で満たされる一方、社会人になった僕は“こんなハズじゃなかった人生”に打ちのめされていく―。人生のマジックアワーを描いた、20代の青春譚。

こちらはもっとも「パーフェクト」から遠い登場人物たちの物語。

主人公の“僕”が、大学の飲み会で出会った彼女に一目ぼれしたことからストーリーが始まる。明大前駅の小さな公園、下北沢の路地、レンタカーで出かけた夏の旅、高円寺のアパート……。なんでもない場所で紡がれたなんでもない日々。でもすべてがキラキラしていた。大学生から社会人になった“僕”の日々はすべて彼女で満たされていく。

「もうとっくに肩の上まで、彼女という沼に浸かっていた。好きだった。」

きっと、誰にでもあった思いだろう。読者は皆、自分の記憶を重ねて、この物語を読み進める。

そして、これも多くの読者たちは知っている通り、たいていの恋愛には必ず終わりがくる。“僕”も例外ではなかった……。

「明け方の若者たち」と聞いただけで、誰もがそれぞれの過去に体験したであろう、徹夜明けの高揚感と気だるさ、長い影を作る朝日に照らされた街の色や匂いなんかを思いだす。

振り返れば人生の「マジックアワー」。それは、あの朝の風景のようにすぐに形を変えてしまう。著者はその輝かしい時間をある時は眩しく、ある時は徹底的にダサく不様に描ききった。この物語には完璧な人は出てこない。だからこそ、みんなこう思うはずだ。これこそ自分の物語だと。あの日の自分がここにいると。

※12月31日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

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アルパカ通信 幻冬舎部

元カリスマ書店員で、POP職人でもある、ブックジャーナリストのアルパカ内田さんが、幻冬舎の新刊の中から、「ぜひ売りたい!」作品をピックアップ。
書評とともに、自作の手描きPOPも公開。

幻冬舎営業部のコグマ部長からの「オススメ返し」もお楽しみください!

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アルパカ内田 ブックジャーナリスト

内田剛(うちだたけし)。ブックジャーナリスト。約30年の書店勤務を経て2020年2月よりフリーランスに。NPO法人本屋大賞実行委員理事で創立メンバーのひとり。文芸書をメインに各種媒体でのレビュー、学校や図書館でのPOP講習会などを行なっている。これまでに作成したPOPは6000枚以上で著書に『POP王の本!』『全国学校図書館POPコンテスト公式本 オススメ本POPの作り方(全2巻)』あり。無類のアルパカ好き。
Twitter @office_alpaka

コグマ部長

太田和美(おおたかずみ)。幻冬舎営業本部で販売促進を担当。本はミステリからノンフィクションまでノンジャンルで読みまくる。アルパカ内田(内田剛)さんとは同学年。巨人ファン。
Twitter @kogumabuchou

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