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アルパカ通信 幻冬舎部

2022.07.28 公開 ポスト

村山由佳『星屑』/反田恭平『終止符のない人生』―華やかなステージの表も裏も描いた小説&ノンフィクションアルパカ内田(ブックジャーナリスト)/コグマ部長

幻冬舎営業部 コグマ部長からオススメ返し
反田恭平『終止符のない人生

若き天才ピアニスト・反田恭平。音楽のみならずスポーツやビジネス等の多角的視点を持つ希代の音楽家はどのようにして生まれたのか? 決して順風満帆ではなかった、その半生を描く自叙伝的エッセイ。

一方、こちらは世界的な日本人ピアニストによる、自叙伝であり未来への決意表明だ。

反田恭平は昨年、27歳で「ショパン国際ピアノコンクール」で2位の栄光に輝き、その名を国内外に轟かせた。

この若き天才の半生がとてつもなく面白い。4歳でピアノ教室の先生に「とんでもなく耳がいい」と言われ、12歳で早くもクラシック界で生きると決意した。その道のりはエリートコースだったというわけではない。サラリーマン家庭で育ち、ロシア、ポーランド(ショパンの母国)での音楽留学の費用は、リサイタルやコンクールで稼がざるをえなかった。特にロシアでは「命の危険」にさらされるようなこともあった。そしてどんな小さな演奏会でも手を抜かない。すべてをチャンスと考えるからだ。

彼に才能があるとすれば、それは音楽そのものの才だけではなく、諦めない気持ち、挑戦しようとする強い思いを持ち続けられることだ。

世界を目指すと決めた時から、人生の岐路に立つたびに面倒や困難が付きまとう道を選択してきた。安定をよしとしない、前例や周囲の雑音に惑わされない、自身の信念に誠実に生きる。

そのちょんまげ風の髪型と相まって、まさにサムライピアニストだ。

若きサムライは、ピアノを武器に世界で戦う。読者はその生き方に勇気をもらい、目の前の困難に立ち向かえるはずだ。その時、脳内には反田のピアノが応援曲として鳴り響く。彼が人生のすべてをかけてかき鳴らすその力強い音が読者に届くはずだ。

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アルパカ通信 幻冬舎部

元カリスマ書店員で、POP職人でもある、ブックジャーナリストのアルパカ内田さんが、幻冬舎の新刊の中から、「ぜひ売りたい!」作品をピックアップ。
書評とともに、自作の手描きPOPも公開。

幻冬舎営業部のコグマ部長からの「オススメ返し」もお楽しみください!

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アルパカ内田 ブックジャーナリスト

内田剛(うちだたけし)。ブックジャーナリスト。約30年の書店勤務を経て2020年2月よりフリーランスに。NPO法人本屋大賞実行委員理事で創立メンバーのひとり。文芸書をメインに各種媒体でのレビュー、学校や図書館でのPOP講習会などを行なっている。これまでに作成したPOPは6000枚以上で著書に『POP王の本!』『全国学校図書館POPコンテスト公式本 オススメ本POPの作り方(全2巻)』あり。無類のアルパカ好き。
Twitter @office_alpaka

コグマ部長

太田和美(おおたかずみ)。幻冬舎営業本部で販売促進を担当。本はミステリからノンフィクションまでノンジャンルで読みまくる。アルパカ内田(内田剛)さんとは同学年。巨人ファン。
Twitter @kogumabuchou

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